まばたきをする体

娘がドラえもんを育てていたころ

強風で家がゆれるゆれる。誰も起きてこないのでひとりでご飯を食べ、そろそろどうですかと子らを起こすが誰も起きてこず、そのうちまた様子を見に行ったら二人とももう起きて布団で本を読んでいたようだ。

私などは朝はおなかがすいて起きるけど、そうじゃない人たちなんだな。

風で雨は上下ではなく左右に降り、窓にたたきつけるのをやと起きた娘はよく見ていた。

ちょっとどこかへ出かけられるような天気ではなく人々はみんなそれぞれ適当にすごす。うちのネットフリックスは一番安いプランで、ひとつのデバイスでしか再生できず、ゆずりあって観た。

昼は一応ごはんを炊いた。私は食べた。するとほとんど昼前に朝ご飯を食べた子どもたちも食べていた。

観ようとしていたものを観たり、読めていなかったもの聴けていなかったものを聞いたり、いろいろはかどった。

娘がアイスが食べたいというがなかなか雨が弱まらず、いま買いに行くのは無理そうだねと話す。ちょうど家にグラノーラがあって「バニラのアイスにグラノーラを混ぜたりしたら最高なのにな」というと「できないことを言わないで!」と怒られた。

娘はでも、そうかグラノーラがあるなと思ったようで食べていた。見た息子も食べた。

グラノーラはお椀で食べるのがこの家のやり方で、子らがひまつぶしにグラノーラを食べては後片付けをしないのであちこちにお椀が置きっぱなしになってなんとかしてくれと頼んだ。

集英社新書の「『利他』とは何か」を読んでいる。寄付金のコストパフォーマンスにこだわる「効果的利他主義」というのがあるんだそうですな、同じお金を寄付したときそれが何人を助けるか、共感抜きに数値を見極めるんだそうで、へ~、なるほどなあ~~~~と思いに思いまくった。とりあえず1章だけ読んだ。

あとはモーリス・ベジャール振付のベートーヴェンの『第九交響曲』が2014年に東京で再演された顛末のスペインのドキュメンタリー「ダンシング・ベートーヴェン」を観る。踊りが観られて単純にとてもうれしくて、不思議な振付の場所だけピックアップして子どもらにも見せて一緒に踊った。

出演もする監督が最初と最後にすごく抒情的に語る。私には抒情は腐される危険と隣り合わせの感覚があり、腐されない抒情を生み出すのが表現の工夫みたいに思っているところがある。そういう、腐される! 逃げろ! みたいな感覚からするとこの映画は劇中劇かと思うくらいたっぷりした抒情で、こういうのがありなのが本来の姿なのだろうと少し反省した。

それから私は息子に腕相撲で負けた。

最近、腕相撲の強いクラスメイトと席が近くなり戦いを重ねるうちに鍛わって、これまで倒せなかったほかのクラスメイトに勝てるようになったのだ、だからお母さん、やろうといわれた時にもうこれは絶対に勝てないとはわかっていたが、そうか~。

まったく運動をせずに暮らしているので仕方がない、少し運動せねばなるまい。ここで息子は中学生なのだから負けて当然だなどと思ってはよくない。

死んだ祖母は孫が縄跳びをするのを見て90歳手前でチャレンジし、1回も飛べないのにショックをうけてその日から練習を開始、10回飛べるようになっていた。

夜は鍋と決めていた。買い物にいつ出られるかと天気を待っていた。よし! と思い飛び出すと風はあったがもう雨はやんでいて拍子抜けする。

買った材料を煮込んで食べた。

食後、明日の朝はホットケーキはどうだろうと息子に言われ、平日の朝はちょっと焼いてられないなあというと、じゃあ今のうちにおれが焼いておこうかと、おお! それはぜひ、と思ったが粉類がホットケーキミックスほんの少ししかない。

息子は見て、これしかなくても卵を多めにすればいけないかというのだけど、どう見ても粉は少ないんだ。「卵足したとしても、だってそれ10gくらいしかなくない?」

息子は納得がいかないようで計りを取り出して計ったら袋込みで26gだった。

「26g! どう? いけないかな!」

念ずれば夢はかなうという気概は大切だし気持ちもわかるが、やっぱり明日はパンにしておこうとなだめた。

寝る前に古い写真を探していて、娘がドラえもんを育てていたころの動画が出てきた。

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