まばたきをする体

SIMは目に見える魂

どうも私がでかけた後、まだ自宅にいた息子が届いたiPhoneを受け取ったようだ。配達完了の通知が来た。

息子のiPhoneは中学入学に合わせて私がそのへんの中古販売店で買ってきた激安中古なのだけど、適当な買い物なだけあってバッテリーがすぐにへたった。

2020年は春以降あまり外に出ることのない一年で、へたったバッテリーでもまあまあ何とかなっており、でもいよいよちょっとこれはまずいのではと息子と協議に入ったのが先日。私は観念した。

この先5年は使ってもらうべく新品を買った。ジャンジャン一番みたいなゆかいな名前の中古スマホ屋ではなくappleで新品を買う。「すばらしい体験があなたを待っています」みたいな画面が出た。ヒュ~!「じゃーんじゃーんいちばーん、じゃんじゃんいちばーん、買取のお品ございましたらぜひおもちくだせ~い!」みたいなアナウンスとともにガラスケースのB品をわくわく見定めるのとはだいぶ買い物体験としての感じが違う。手に入るものは同じくiPhoneなのに、満を持して「人生のようだ」と思った。人間、だれもが最後は死ぬのだ。

そして、これでもう息子にスマホを買ってやることはこれで最後なんじゃないか。高校に上がったらアルバイトもするだろう。

iPhoneの配達を完了しました」というメールひとつで感慨や広がった。

今日は午前から外出でそのまま午後も。途中昼ごはんでマクドナルドに入るとほとんどがカウンター席になっていてその全席にアクリルの仕切りがしてある。

作業があってパソコンを広げるとトレイを置く場所がないのでトレイは返してトレイの上の敷物の紙を折りその上にハンバーガーやらポテトを乗せた。コンパクトな空間に興奮する。

帰宅して引き続き作業、息子が帰ってきたので、iPhone受け取った? と聞くと「あ! あれがそうだったのか」と、さっそく開封していた。空き箱をすぐに捨てており、あの硬くて宝箱っぽい箱を捨てたことに驚き拾う。意味もなく納戸にしまった。

むかしアルバイト先でMacの箱をとっておいたから中古で査定に出したとき高く売れたんだと話していた先輩がいて、でも私はパソコンの箱は捨てちゃうなあ~~と、実際捨てて生きてきた。でもiPhoneとかスマホの箱は取っておく。

なぜか、小さくて場所を取らないから。

とっておく理由が戦略的でないなと今日はじめて思った。

息子はSIMを抜いてその小ささに感激していた。一緒にながめた。SIMは目に見える魂だ。神々しい。

クイックスタートというやつで難なく移行は完了したようだった。ついかつての携帯電話の移行がいかに大変だったかを説いてしまう。携帯買ったらその日1日は移行作業のためにスケジュール開けるくらいした。老者としての態度が極まる。

娘が帰宅し、うつぶせに寝て「見て!」というので見ていたらすっと腰を折って持ち上げそのまま立った。

「すごいでしょう!」

それからあおむけで寝てまた「見て!」というので見た。ひざを立ててそのまま立ち上がり

「すごいよね!」

(ちょっと自分でやったことがないからすごさがわかんないんだけど、たぶん私できないだろうし)と心で思って「すごいよ~!」とちやほやした。ふふふ。

娘は冷蔵庫を開け「おいしいものなんかある?」と聞いて私が答えるより先に息子から「この家にはなにもないよ」と言われていた。

その息子はだるま落としを何度もやって夢中になっている。

子どもたちは暇なようだ。

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晩の買い出しに出た。夕飯のあれこれと、あと何もない家に有をもたらすべくチーカマを買った。

帰ってご飯を作って食べて、食後はチーカマが喜ばれてよかった。

夜は娘と、私が最近見ているインテリアコーディネーターが腕を競うリアリティーショーを見た。

出場者がすこしずつ減っていく、そのうちに出場者たちは意見をたがえたり、逆にシンパシーを感じあったり、結果的に全員仲良くなるのがポイント、と話すと「SASUKEだね」と言っていた。

娘が喜んで観ていたので以前私が観ておもしろかった、ファッションデザイナーのリアリティーショーも観せると「これもSASUKEだ」という感想だった。

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