まばたきをする体

コロナ時代の買い食い

子どもたちは学校に出かけていった。それぞれ食べたらしいヨーグルトのカップがシンクとテーブルに出ている。

昨日4個入りのプリンを買って兄妹と私がぞれぞれひとつずつ食べた。残りのひとつをめぐりこれはもめるなと思っていたが、今朝のところはやり合わずお互いヨーグルトを食べてよしとしたようだ。

冷蔵庫には確かにプリンがひとつ残っていた。

私は今日も在宅勤務。きのうちゃんと終えられるか不安を抱えうなりながら寝た仕事があった。そんなに心配なら夜のうちにやればいいと自分でも思うのだけど、夜寝るのが好きすぎてどうしても寝てしまう。

不安のまま始業して、でも着手すると調子に乗って楽しく終えた。

いい気になり昼はたくさんパンを食べ満腹になる。

午後はリモートの会議をやって、やるうちに子どもたちが帰宅。会議を終えて続きの作業をしていると、集中の外から娘の声が聞こえた。

「そんならもういいよ、お母さんに食べてもらおう」

そう言っている。プリンだ! と思った。聞き耳を立てると、2人でひとつのプリンをめぐり以下のいずれかを採択すべく協議しているようだった。

(1)半分にわける
(2)ジャンケンをして買ったものが食べる
(3)負ける可能性があるくらいならお母さんに食べてもらう

どうやら(1)のようなみみっちいことをするようならば(2)できっぱり決めようというのが会話の流れのようで、しかしすると負ける未来が5分あり怖いと、それで私に食べさせる案が出ているらしい。

……来い! プリン!

私はそう思ったが、結局ジャンケンすることに決まり兄が勝った。娘、泣くか!? と私は身構えたが、娘はえばって「ひとくちちょうだいよ!」とでかい声を出した。

「ひとくちやりな」と私からも息子に言うと娘は「焼けてるとこだよ! 表面の!」と言ってもはや食べ始めている息子の近くにスプーンを持ってやってきて、すっと、でも常識的な量を取って食べた。

それから娘は塾へ行って、私はまだ仕事があり、息子も宿題をはじめ静寂は戻る。

仕事を終え晩の買い出しに行って、帰って冷蔵庫を整理していると息子が小さく(いってきます)とどこかへ出て行った。なんだろう。

近所の友達とよくマンガの貸し借りをしているのでそれだろうかと思っていると帰って来て、自室へこもり、しばらくして台所になにか捨てにきた。

アイスだ。モナカの袋だ。

買い食いに出かけたのか。「サイダーのプラム味も買った」私の視線に耐え兼ね息子は自ら白状した。

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感染症対策で息子はいま部活もなく授業後はすぐに家に帰ってくる。コロナ時代の買い食いは家から店に行き家に帰って食べるのだな。

それから息子はGoogleHomeにSpotifyの自分のプレイリストの再生をリクエストした。

HipHopの何かの曲が流れ、へえいまこんな曲を息子は聞いているのかー、と思ったが、息子は「なんだこれ」と言っていて、なんどもリクエストしなおしてでもやはり同じ曲が流れる。

どうやらプレイリストと名前が同じタイトルの曲があり、そちらが流れてしまうようだ。

でもかっこいいじゃん、とスマホで曲とアーティストを調べると、アメリカのSpotifyのフォロワーが50人もいないインディーズのアーティストで、こんな偶然なかったら一生聴けなかったかもしれない。

夜は娘が雑誌の「SWITCH」を読んでいた。2005年発行の「スラムダンク」の特集号で、娘がとにかく好きなので週末ブックオフで見つけたときにこれはと買ってきた。

娘が「ちょ、ちょっと来て!!!」というので急いで行くと、「スラムダンク」の単行本販売1億冊を記念して集英社が新聞広告を出した日が娘の誕生日と同じ日と書かれていて「すごくない!!!」「めちゃくちゃにうれしいんだけど!!!!」と、感激していた。

手をとりあって喜んだ。

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