まばたきをする体

売りものだけど配られて受け取る感覚

机の上で餅袋をさかさにひっくり返した。小分けになった長四角の餅がばらけて、そこから6つ拾った。

まあもうだいたい6個くらいしか残っていないだろうと思って豪快に出したのだけど、餅は全部で10個あり、なので残りの4個は静かに袋に戻した。

フライパンで焼いて息子と私はきなこ餅に、娘に海苔餅を用意する。

起きてきた息子とばふばふさせながらきなこ餅を食べた。「きなこ餅はきなこ餅としての理想のビジュアル通りで食べると粉っぽいね」「そうそう、もっとお湯でじっとりさせて食べたほうがいい」そう話し合ってお椀にお湯を足した。砂糖も足した。

作文教室があるのに娘の起きる時間はギリギリで、二つ焼いた餅のうち一つしか食べる時間がない、残りひとつ、息子に食べるかと聞くがおなかがいっぱいというので余ってしまった。

子らはでかけていき、残された海苔餅を私はじっと見て、はさみで4分の1に切った。ひとつ食べた。

そうして洗濯や掃除をしながら4分の1ずつつまんで結局全部食べた。

ここしばらく麻雀ゲームをやりすぎており、先日ついにYouTubeで解説動画を検索するまでになった。いや違うだろう、私が強くなってどうするとハッとして、こういうときは「麻雀放浪記」を読むに限るなと思うが文庫本は確かいつか誰かにあげてしまって自宅にはない。それでぼやぼや図書館に行って探すことにした。

近所の図書館には色川 武大・阿佐田哲也全集があったはず……と思うが「麻雀放浪記」の巻だけ貸し出されていた。そうだよな、みんな好きだろう。

作者「あ」の欄を見ていて、これもかつて読んだはずで誰かにあげてもう家にはない雨宮まみさんと岸正彦さんの「愛と欲望の雑談」があり1ページめくったら止まらなくなってそこいらの椅子に座って一気に読んだ。

この本は雑談だからこそ著者のお二人の感覚的なことのやりとりが読めるのがすごくて、

言語化すると価値が減る感覚」(誕生日を祝ってと言って祝ってもらうのは、何も言わずに祝ってもらうより低価値であるといった感覚)

「かつては持たないことがバカにされたが今は持っていることがバカにされる」(貧乏よりも金持ちが揶揄されるような)

「傷ついても希望を引き受ける態度」(できないことをあきらめるのは楽、でもそこを、傷ついても欲望し続ける)

などなどなど、私は再読のはずなのにあらためて集中した。

今期、隣町のスーパーが本気だ。バナナが30円だったり小ぶりだけど白菜ひとたま50円で売られることがある。単にバナナと白菜が今年めちゃめちゃ安いということかもしれないけど、近所のスーパーはこの価格では売らないのでたまに行っては目がひらく。

会計の列に並んでいると前に並んでいた方がさっといなくなって何か追加のものを取って戻ってきた。おお、これ下手すると横入りみたいに見えてしまうかもしれないのに大胆だったな、私が承知していると思ってのことだろうか……と勝手にひやっとしていると、まさに後ろに並んでいた方に「ねえねえ、今、前の人横入りしなかった?」と聞かれ、元気いっぱい「並んでいた方です」と答えた。仕事をした。こういうドンピシャなこと、たまにある。

荷物を持って帰り、バス停でベビーカーの赤ちゃんに他人らしき方がおじぎをして、すると赤ちゃんがおじぎを返すのを見てしまって、なんという可愛さでしょう。赤ちゃんよ。

バス停のそばの書店は店の面積が小さいことから取り扱いのほとんどが新刊と雑誌で「麻雀放浪記」はなかった。「はたらく細胞」と「ワールドトリガー」の最新刊を買う。

どちらも売れているマンガだけに店頭にたくさん並べてあって、こうしてたくさん積んで売られているともはやパブリックに配られている印象すらうける。もちろんお金は払うわけだけど、店にたくさん積んであるなかから1冊取るのは本棚から選んで抜いて買うよりも買う感覚が少ない。

帰ると子らも帰っており昼はカレー。昼からおなかがいっぱいになる。マンガを読んでゆっくりした。

f:id:mabatakixxx:20210214114952j:plain

夜は白菜と豚バラを重ねて鍋にギュッと詰める例の鍋をやる。息子は白菜があまり得意でないのでそうでもなかったが、その分私と娘でおおいにうまがった。

最近金曜日にポッドキャストを配信していて、恋愛相談などもぜひとツイートしたところ本当にありがたいことに数件いただき、自分で募集しておきながらこれは相当な重責だ。夜は相談の内容についてずっと考えていた。

地震がありかなり揺れる。じわじわ長く徐々に大きくなるような揺れだった。東北が大きかったらしい。

閉じ込められないように部屋の戸を開けて寝ようと子らに伝えた。

-----
古賀及子(こがちかこ)・まばたきをする体とは
お仕事のご連絡
Twitter @eatmorecakes
Instagram @eatmorecakes
Podcast「生活の素直な感想」 

この日記を本にして売っておりまして、販売所はこちらでーす。

大阪のシカクさん、下北沢の日記屋 月日さん、赤坂の双子のライオン堂さん、天王寺のスタンダードブックストアさんでも取り扱っていただいております~(在庫状況はお店さんへお問い合わせいただけるとうれしいです)。