まばたきをする体

おじいちゃんとロトシックス

ゴミを出すために起きる。

8時までに出すきまりで7時半に目覚ましをかけておいた。目は冷めたものの寒さにおびえる間にじりじり時がすぎ、7時55分に満を持して、ゴミだけ出したらまたお布団で温もるから大丈夫だからと起き出しコートを着込んで飛び出したら玄関の前に荷物が置いてあった。

ネットで買った卓上加湿器だ、置き配を頼んでいたのが届いたのかと思いながらゴミを出して戻って加湿器を回収、部屋へ入る。

普段からゴミ捨ては家の代謝だなと思っているが、ゴミを捨てて新品を持って帰ってきたのがまさに新陳の代謝という気持ちだった。

帰ってきたらお布団にもう一度入ろうとあれほど思っていたのに面倒になりそのまま起きる。

息子も起きてきたので加湿器を渡して、勉強中に机に置くように言うと早速水を入れて蒸気を出させ、手にもってゆらしたり角度を変えるなどして作動の条件を確かめていた。

新しい物を与えたとき、子らはただ作動させるだけじゃ物足りなさを感じるようだ。何を渡しても、普通に使うだけでは済まずちょっかいをかけるみたいなことをする。

昼はパンケーキを焼く。娘に「ホットケーキとパンケーキって何が違うの」と聞かれるので検索して結果を話した。ひとりだったら疑問に思っても調べないし、そもそも疑問にも思わなそうなことをこうしてよく調べる。

たくさん焼きすぎて1枚残ったので台所に出しておいた。こうすれば誰となくついばみそのうちなくなるだろうと思ったらやっぱりで、娘がついばみ、息子がついばみ、周囲が徐々に破られて、結局息子が北海道の形にした。

北海道は3時のおやつに私が食べた。

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夕方買い物に出かけて、銀行の前の宝くじ売り場を見かけておじいちゃんのことを思い出した。

母方の祖父はロトシックスが大好きでよく買っていた。私が高校を卒業したころだからもうギリギリ死ぬ前くらいのことだと思う。

何の用事があったか全く忘れてしまったんだけど、一度二人で銀座に行ったことがあった。祖父は銀座の松屋が好きで、屋上で植木を見てレストラン街の宮川で柳川を食べるのを楽しみにしていたのでそれに付き合ったんだったか。

帰り際「おい、これ当たってんだよ」とロトシックスのくじを渡された。おれはここで待ってるから、おまえ行って引き換えてこいよ。チャンスセンターのところだったか、窓口が地下にあって、階段を降りるのが難儀なので私に託したらしかった。

すごいじゃん! と私は券を受け取って、窓口に掲示された当選番号と照会したが当たっていなかった。確かに番号はあったんだけど、買い方が違って当選になっていなかった。

これは説明が面倒だぞと思って、おじいちゃんこれ当たってないわと何度か説明して、そのときに、おじいちゃんは大人で私は子どもだけど、よくとらえ分かっているのは私の方なのだなと決定的に感じ取った覚えがある。

子どもたちがそう私に感じるのはいつごろだろう。まだ私の方が分かっていることが多い。

今でもすでに、特にコミュニケーションの常識については子どもたちの方が洗練されているなと思うことがあって、でも宝くじの買い方で「お母さん、この買い方だと当たりにはならないんだよ」と私に教える側に回るのはいつごろやってくるんだろうな。

というようなことを考えながら野菜とこんにゃくを買って帰って冷蔵庫で解凍していた肉とあわせて豚汁を作った。

でかけていた娘が帰ってきたのを兄は待ちわびており、二人はWiiパーティーですごろくをはじめた。

この人たちはどんな新しい遊びが登場しても定期的にWiiで遊ぶ。

 

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