まばたきをする体

家を混ます人の容積

朝は起きて芋を焼き、中身のないCDケースを捨てた。

年末にCDの棚を整理していてCDが入っていないケースだけのものがかなりあることに気づいた。

ポータブルCDプレイヤーなどで聴くために中身だけ別のファイルに入れて持ち歩くような習慣がかつてはあって、それで離別したままファイルをどこかへやってしまったまま気づかずケースだけ大事に保管していたんだろう。

捨てきるころ芋が焼け食う。そこいらのスーパーで適当に買った芋だったが上手に焼けうまい。あと近所の友人がくれたかまぼこを切って食べた。

昨年は はじめて家に日めくりカレンダーを吊り日々めくっていた。あれだけ分厚かったカレンダーがこんなに薄く! そして、ああ、ついになくなるのかあというところで今年の分をもらって日々の厚みは復活し、今やまた分厚い。

去年はじめて知ったが、むかしながらの金具でとめてある日めくりカレンダーはめくってはいけない。すっと下に引き抜くようにしてくださいと元旦の前のページに書いてある。

1日を下に抜いて2日にした。きれいに気持ちよく抜けて、12月の末あたりはかなり強くひかないと抜けず、そうかこれが年始の手ごたえだったか。

パソコンで作業をしたり本を読んでいるうちに昼が来てうどんを食べ、それからぬいぐるみをなでて本を読んだらおもてががやがやした。

なにかしゃべって笑いながら子と父が帰ってきた。一気に家に人が増え、おお、人だ、人だ、これが家を混ます人の容積だ。居間にそろうと圧倒的に狭い。

おみやげの芋ようかんをみんなで食べて、宿題の終わっていない息子が部屋にひっこんだのを見てこっそり私はもうひとつ食べた。

人が家に帰ってきたからみんなで何かするということもなく、それぞれに宿題をしたりマンガを読んだりゲームをしたりだらだらする。

私はNHK 100分de名著の12月のテキストと「薔薇はシュラバで生まれる―70年代少女漫画アシスタント奮闘記―」を読んでおもしろがった。

文房具の棚から消しゴムを探しているととんでもなく短くなった鉛筆が出てきた。子どもたちが使った鉛筆で短くなったもの、なんとなく捨てづらく小箱に集めていたがあふれたんだった。

眺めてどうしたものかと思っていると、娘が延長ホルダーでまだ使えるやつは自室にもっていくと選別してくれた。軸が6角形のものだとホルダーで使いやすいけど、丸い形のはすべるからもう使えないそう。

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夜は鍋と鍋汁に入れたうどんを食べてテレビで「逃走中」を観る。食後もおかきや落花生などだらだら食べて、正月らしさを出した。

それから娘が「逃げるは恥だが役に立つ」を観はじめたので私はかくれた。題材が身近なドラマが子どものころからもうずっと苦手で、観てしまえば絶対におもしろいのに目の当たりにしない。

小学校のころ、道徳の授業で「さわやか三組」を観るのがおそろしくて仕方がなく、あれを楽しみにしている同級生に憧れていた。

妊娠した主人公が「これからせいいっぱいサポートします」と発言した夫に返す「サポートってなんですか!? 私が指図しなくちゃいけないんですか!? 一緒に親になるんじゃないんですか!? 」というようなセリフがふすまの向こうから聞こえてきて、こんなにも現実的でひりひり心揺さぶるものが大人気で、こうやって世界は変わっていくのだろう、頼もしくも遠くからおそるおそる覗くしかない。

そうだ「薔薇はシュラバで生まれる」にも時代が一変する瞬間が描かれていた。

もっと奥に隠れて、NHK出版学びのきほんシリーズの中島岳志「自分ごとの政治学」を読んだ。100分de名著の「ディスタンクシオン」もそうだし教養について読みやすい本がたくさんあって本当にありがてえことだ。

テトリスをして寝た。

 

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