まばたきをする体

はっぴを着ると人が集まってくる

祝日で仕事は休みだが月曜日なので目覚ましは鳴る。スマホの目覚ましを、月曜日から金曜日に朝鳴るように設定してある。ゴミを出した。

電話がきて、出ると宅配便のドライバーさんだった。「一発目にいきますんで」ということで元気がいい。着払いの荷物で、金額を教えてもらって待ち構えるとすぐに来た。

最近この辺りを担当するようになった、雰囲気はすごくおとなしそう、クラスにいたら勉強ができそうなタイプの人で細いふちのメガネをかけていて痩せている。しかし実態は重い荷物を2箱一気に運んだりバリバリ仕事をして、結構遠慮のないところもあって頼もしい。

昨日出た文学フリマの戻り荷物がなんともう帰ってきたのだった。私の荷物のほかに仕事で出店した分の荷物も一旦あずかったため玄関が埋まった。

自分で送って自分で受け取るの、荷物の輸送の不思議をダイレクトに感じられる。送ると届く、意味はわかるんだけど手から離れたものをコントロールできることが信じられない。興奮する。

中身を確かめて問題も一切なく、興奮がさらに高まった。

普段は山に暮らす子らの父がやってきた。連休がとれたんだそうだ。イノシシの肉と栗のきんつばを持って来てくれた。イノシシ肉はジップロックに入った塊で大きい。猟師さんに畑で作った冬瓜を差し入れたところお返しにくれたんだそうだ。

子らも起きて、朝ごはんを食べると父がブックオフに行こうと誘って3人ででかけていった。山の父はブックオフが好きだ。

私は本を読んだりネットを見たり、同人誌の新刊を通販する準備をするなどをする。子どもたちが父と古本を買って帰ってきて、昼の味噌煮込みうどんを食べると息子は部活の試合へ行った。

山の父は最近畑と平行してお茶工場で働いて週末は道の駅などに行きお茶を売って日銭を得ているようだ。お茶を売るコツはなにかあるのかと聞くと、「はっぴを着ると人が集まってくる」とのこと。最近は映画の寅さんシリーズを見て行商について学んでいるそうだ。

父娘で午後も近所の靴屋へ靴ひもを買いに行くというので、私は同人誌の通販につけるペーパーを作ってコピーしに出かけた。

わたしは高校生のころキャプテン翼のファンで同人誌の世界にも親しんだが、そのころこの世界のペーパーという文化を知った。

本におまけでつけたり即売会で配ったりする新刊の情報や同人活動についてのあれこれがまとまった紙のことで、インターネットがまだ一般的でなかった頃はこれがかなりファン同士のコミュニケーションの重要なツールではなかったか。遠地のファン同士で20枚~30枚くらいを送り合い身近なファンコミュニティで配る「ペーパー委託」というものもあった。

去年同人誌を作るようになって、ペーパーだ! と思い出した。新刊やイベント参加のごとに作っている。5円コピー機でがーがー刷ると本当にわくわくする。そうだ、当時はペーパーも同人誌同様みんなオフセットで印刷してたんだよな。ペーパーにも奥付を書く欄があって、発行枚数を書くのが通例だった。10万枚とか刷ってるサークルもあったと思う。

コピーを取るのにうっかり小銭を持ち忘れ、5円コピー機はコンビニの複合機のように紙幣が扱えず設置してある店のレジで両替してもらった。店のレジといえば両替はおことわりが基本姿勢だと思われ、コピーをする名目があるにしろお願いするのは緊張する。

すっかり刷り上がり、こころ豊かになったところで決心してわたしは殺鼠剤を買った。このところ近隣にねずみが出ており、お隣さんからよく効く忌避剤の情報を聞いて設置するなどしていたがそれでもおさまらず、ついにお隣さんは「うちはもう決心して殺鼠剤をまいたよ」と紫のスティックシュガーみたいなものを見せてくれた。

同じものを買った。高い。2600円した。まいた。

息子が帰って来て、試合には負けたが格上の相手だったので気が楽ということだった。先輩も顧問の先生もほがらかだったそうだ。

夜はイノシシの肉を味噌で煮て食べた。かたいところがあってみんなでよく噛んだ。

 

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