まばたきをする体

模したものをまた模す

息子が寝違えて首を痛がっている。「痛いな」「あ! 今ちょっと痛いな」「痛いな~」などことあるごとに言っていて、わかりやすく家に寝違えている人がいるな~という状況。

短時間なら効果的らしいから湿布でも貼るかと、渡すと自分では貼れず、貼ってやろうとしたらこそばゆいらしく笑って逃げるので追いかけて貼った。ぐしゃぐしゃだ。

そんななかを娘はゆっくり起きてきて気配を消すように支度をして作文教室へ行った。

家事をしてから台所と風呂場を掃除する。年々片付けと掃除が好きになる。18歳のときに埼玉の実家を出て東京の祖父母の家で居候を始めたが、その頃は掃除にも片付けにも興味がなく部屋は散らかり放題で、足の踏み場もなく整理整頓を旨とする祖父によく注意された。

出したものは使ったら出したところに戻すんだよ、それだけでいいんだよとよく言われた。

じわじわとだ。じわじわ片付けが好きになって、次いで今や徐々に掃除も好きになりつつある。

なんでか、わからないが、肉体がおとろえ片付かない汚れた部屋では危ない年齢にさしかかっていることから本能的にそうなっているのではないか。

午後、息子はよくなった首でサッカーをしに行った。寝違えが治るのが早い。若い。いわゆる「若いわねえ」といわれる年代は大人になって間もない年代、新卒くらい、20代前半かなと思うけど、うちには10代の男女がおりいよいよ本格的に若いなと思わされる。

10代とはつまり子どもであるということだけど、「子どもである」が「(大人として)若いわねえ」に近づきつつあるのを感じる。

それから今日も娘のバレエの稽古につきあった。稽古のあいだ稽古場の近くのスーパーで買い物。キャベツがあるので夜は私の好物の焼きそばにしようと売り場に行くと、マルちゃん焼きそばに「お好み焼きソース付き」というのがある。

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・いつもの粉末のソースもまあまあお好み焼きソースみたいなものなのかなと思っていたけど違うのか

・焼きそばに対して「お好み焼きソース」を添付してあるのを良さとして売るの意外だな

・この「お好み焼きソース」はどうやら液体のようで、従来の粉末に対して液体であることを売っているようだ「液体ソース付き」では弱かったのかな

など、一瞬でたくさんのことを考えて、焼きそばの売り場に来ただけでこれほどの思いを巡らせるなんて私には結構考える力があるのかもしれないな!? とうぬぼれるほどだった。

よく分からなくなって、いつもの粉末のではなくこの「お好み焼きソース」版のを買った。通常のものより10円高かった。高級品だ。

それから通りがかりのショウウィンドウに「木彫りのクマ」の「ぬいぐるみ」を見かけて感心する。木彫りのクマは木彫りでクマを模したものだが、それがあまりにも一般的になり、するとそれが次にぬいぐるみになる。模したものをまた模すというのは、経済を回すとは、お金を使うことではなくむしろこういうことを言うんじゃないか。

帰って焼きそばを食べた。確かに粉末よりも調理はしやすい気がする。それに麺がてらてらする。おいしかった。

夜は息子がアメリカの刑事もののシットコム「ブルックリン・ナイン‐ナイン」を観ていて面白そうだったが何話も次々見ていくので、タイミングを逃して大縄跳びになかなか入っていけないような状態になり、諦めて別途ドキュメンタリー映画の「美術館を手玉にとった男」を観た。

美術館に贋作を寄贈する人の話。観ていて途中、これはフィクションなのではと思うシーンがいくつもあった。ロックスターっぽい。著名な作家の木彫りの熊も模写(彫刻だから摸刻?)してほしい。

 

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