まばたきをする体

いつも自分を気分よくしている

出かける息子と、出先に提出するヘルスチェックをした。

「発熱はありますか」「ありません」
「咳は出ていますか」「出ていません」
「つよいだるさはありますか」「ありません」
「息苦しさがありますか」「ありません……」
「味覚に障害がありますか」「ありません、というか、なんかこの人すごい疑ってくるな」
「14日以内に海外から帰国しましたか」「してませんよ」
「そのほか、体調が悪いですか」「しつこいな! 元気ですよ!」
「新型コロナウィルスと診断されている人と2週間以内に会いましたか」「だから!」

しつこいくらいでないといけないのだと諭した。

息子が英検の試験を受けるが、チェックを完了した旨を会場に入るときに確認するのだそうだ。人を集めることが大変なときだ。

息子はそれから、上履きがないと言い出した。ええっ、持ち物として上履きがあり、学校の体育館履きを持って帰って来てとあんなに伝えたのに!

どうすんの……。この家にはスリッパが私のものしかない。思春期にさしかからんとしている息子に……これ……?

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言う前に息子の方から「それはだめだ!」と否定があった。分かってる! じゃあどうすんの! もしかしてと思い防災カバンの中を探したが古いスニーカーが入っているだけだった。

コンビニに売っているだろうか、話しているところに娘が起きてきた。あ、そういえば娘に買った新しい上履きが届いたな。

娘は足が大きい方なので、もしかしたら履けるかもしれない! 娘も、普段は所有意識の高い人だが面白がってお兄ちゃん履いてみてといって持ってきた。

息子はすっと足を入れた。「……履けた……めちゃめちゃにつま先を丸めているが履けたな」

よかった~~! 居間がわき、息子は小さなきつきつの上履きを持ってでかけていった。

騒ぎで全く勉強ができなかったのは不安だ。

午前は掃除洗濯などを推し進めた。娘は布団にくるまり本を読んでいる。娘は快楽的に過ごす才能のある人で、いつも自分を気分よくしている。

どういう才能だろうと考えたが、これは我慢をしないということなんじゃないか。

ちょっと寒いなと思ったら我慢せずに布団にくるまる。ちょっと疲れたなと思ったすぐ横になる。

昼は塩にぎりを握って息子を待ち構えた。帰宅してすぐに食べたら部活に行かねばならない。

早めに支度を整えたが、思ったよりも息子の帰りは遅く、娘が早々におにぎりを2個食べてもっと食べたいというので冷凍ごはんを解凍してにぎった。

息子はできたようなできなかったような顔をして帰宅し、おにぎりを食べてまたすぐ出て行った。

午後は娘を連れて街へ出た。大きな文房具屋でシャープペンを買うことにしている。娘は目ざとく「鬼滅の刃」とのコラボモデルを見つけた。

これにすると渡され、しかし見るとキャラクターのイラストが描いてあるのは台紙だけでシャープペンのボディに描いてあるのは何らかの模様だけだ。「これでいいのかい?」と聞いた。「いいの」

うん。これでいいんだろうということは分かっていた。きっとキャラクターのなにか大事な模様なんだろう。

でも無理解な大人が子どものこだわりをわからないみたいな様子思い出したのだ。死んだ祖母がそういう人だった。

「なんでも好きなものを買っていいんだよ」といわれ選ぶと「これでいいのかい? なんだかわからないけどね」とかぶつぶつ言って、それから「これでよかったんだろ?」と渡してくれる。そいで「またいつでも買ってやるからな」という。

帰って晩ご飯を食べて、それから急に、子どもたちの育成は大丈夫だろうかと不安な気持ちになった。

あれ?

ふたりとも元気で健康的に過ごしていまも機嫌が良いのになんだろう。

思えば最近友人から困りごとの相談を受けていたがかなり難儀な内容だ。私にはどうしていいのかうまく思いつかず、ふたりで困ったままでいる。

あわせて、かかわっている町会の仕事が大難航してこちらも関係者間で「参りましたな」と言い合っている状況で先が見えず良くない。

そのふたつでおろおろした気持ちが危機意識を高め「子どもは大丈夫か」と関係のないところまで不安になったようだ。

おちつけ! と思い水を飲んで早く寝た。お布団がふかふかで気持ちいい。

 

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