まばたきをする体

ファブリーズとはどういう魔法なのか

子どもらが学校へ行き、週末にやってきていた子どもらの父も住み家の山へ帰った。私はひとりになって家が広い。

週明けの作業をカーっとやって、午後はでかける。

公共施設のなかの喫茶店に用があった。入口で手指の消毒と検温をする。出先で検温することが本当に増えた。体温を数字として日々持つ感じがある。そのあと入館証に連絡先を書いて提出もした。

終えて帰る頃、子らの父から山に到着したと連絡が入った。畑を見に行ったところ留守の間にゴーヤと冬瓜が大量に育っており嬉しいものの食べ切るのにプレッシャーを感じているとのこと。それは気をもむことだろう……。

冷蔵庫にたくさん食材が入っていると腐らせてしまわないかとても不安になるが、畑にもそれに近いことが起こることがあるんだな。どんどん食べるのでぜひ送ってくださいと連絡した。

そのまま自宅で夕方まで仕事。そのうち娘も息子も帰宅した。

はと気づくと、よごれた息子の体操着が部屋に干してある。

息子に聞くと、明日も着るからとりあえずファブリーズしたとのこと。いやいやいや、一度着た体操服は洗濯しないといかんでしょう。

手洗いを教えた。

教えながら、「いやいやいや、一度着た体操服は洗濯しないといかんでしょう」と自分の選択哲学をもとに言ったものの、必要な洗濯とは? というのは人それぞれであるし人生を駆けた問いだなとも思った。

ファブリーズとはどういう魔法ととらえるかという問題もある。息子がその力を過信していることは伝わったが、「過信」ととらえるのもまた私の洗濯感によるものだ。

それからiPhoneやゲーム機を一時的に閉じ込めさわれないようにする箱がもう届いた。タイマーをかけて密閉する機能がついているらしい。昨日息子にせがまれて買ったものだ。

息子は早速電池を入れて箱にiPhoneニンテンドースイッチのコントローラーを閉じ込めていた。「よし、これで4時間後まで触れないぞ、勉強をする」といっている。4時間長くない?!

息子が初動で張り切るタイプだということが伝わったが、入れてすぐ箱の中でiPhoneがぶるぶるしていて、息子は「あー……」といっていた。そんなんめちゃめちゃ気になるよな……。

しかも私が仕事の配信に出ていた21時ごろにはNHKラジオの基礎英語を聞くのにかけているタイマーまで鳴って止められなくなって困ったらしい。音がうるさくないように娘と一緒に布団でぐるぐる巻きにしたそうだ。

なんなんだ。

箱に入れるときは電源を切るのがよいんだろうなとあとで話した。

夜は友達にずいぶん前にすすめられた本を読み始めた。が、誰がどういう意図ですすめてくれたかを完全に忘れてしまい、大変に刺激的な内容でぐんぐん読み進めたもののずっと「誰のおすすめだっけ」と気が散って仕方がない。

気が散ったまま、あー! と横になり、すると眠くなったので電気を消した。

雨音で目が覚めた。

しまった、息子の体育着ベランダに出したままだ。

よろよろ取り込んでまた寝た。

 

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