まばたきをする体

ひとりにだけ夏が来てしまい

娘に夏休みが始まった。息子の中学はまだ登校日があって私も仕事で、ひとりにだけ夏が来てしまい、この一人の夏を、どうしていいかわからない。

娘は寝坊をして、さすがにそろそろという時間に起こすとゆっくり起きてきて朝ごはんを食べた。

仕事をしながら、夏の宿題したら? 図書館は? 児童館は? などとうながしてみるがとりあえずはだらだら過ごすようだ。

私も来週夏休みをもらうことにしているのだけど、夏の予定は何もない。これどうしたらいんだろう。今年はゴールデンウィークも外出自粛のどまんなかで、あのときは確かせっせと家中を片付けた。床に穴が開いているのをみつけてパテで埋めたのも5月の連休だ。

昼は餅を焼いて食べた。娘はさすがにだらだらするのに飽きて勉強をはじめるも集中できずに冷蔵庫を見ては閉め、また開けてばかうけを見つけて食べていた。

それから「自転車は買ってもらえないのかなあ」と言って、そろそろ誕生日の娘は祖父母のところへ行って自転車を買ってもらうことになっていた。これも行かれず中止になっていて、そうだなあ。

いま乗っているものはかなり小さいから、もういまお母さんと買っちゃうか、もう少し様子をみていつになるかわからないけど祖父母宅に行けるようになったら買ってもらうかのどちらかか。

どっちがいい? と聞くと、今欲しい……と小さい声で言うので、じゃあそうしよう、おじいちゃんおばあちゃんにはまたの機会になにかねだったら良いよ。

帰ってきた息子に「ヒッポカンプス・ジャパピグ」とあいさつをされ「お、おお、ヒッポカンプス・ジャパピグ」と返した。

「なにそれ?」「米粒大の新種のタツノオトシゴの学名だって」

そういって、トイレにかけてあるカレンダーを見せてくれた。確かにそう書いてある。トイレにはもう何年も公文式の教室でもらってくる豆知識のカレンダーをかけている。息子が5歳の頃にはじめて、それから娘が入って今も続けているので毎年もらえる。

私たちの雑学的な知識はすべて公文式のカレンダーによるものだ。

仕事を終えて夜は冷凍の小籠包をむりやり蒸して食べた。蒸し器がないが底の厚いフライパンがあるのでなんとかした。「むりやり蒸す」の語呂の良さにいい気になる。

それから、パソコンでメールを確認すると読み逃していた重要なメールがいくつか届いていて青くなった。

新着メールはスマホに通知が届くようにしているが、通知が止まっていたらしい。慌てて何通か返事をした。

メールの着信通知が来なかったりで要着手の作業をみすごすと、それに気づくまでの間が空白のぼんやり時間として浮き上がる。

のんきに過ごしていれば過ごしているほど、あの時間はなんだったのか!? みたいに思ったり、なにも知らなかったあのころ! と疎ましく感じたりする。

画像1

↑こんなかんじ……

夜は暑くてごろんごろんしたのでクーラーを入れたら寒くてくしゃみが出た。

 

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