まばたきをする体

子どもたちが寝てモロゾフのカフェを検索した

4時に目が覚めて、それでまた寝るのは2度寝に入るんだろうかな。だいたい早朝に目を覚ましてはまたぐっすり寝て早くも遅くもない普通の朝に起きる。

今朝は娘が近所の作文教室主催の「馬と上手にコミュニケーションを取る方法」講座に行くことになっている。起こして立たせて歩かせた。

よぼよぼ支度をして娘はでかけていった。息子も学校へ。あれこれ働くうちに馬の知識を蓄えた娘が帰ってきた。

昼の豚汁を食べながら「馬はお腹になにがしかを擦りつけられることを嫌うから気を付けたほうがいい」と教えてくれた。

午後、娘は図書館に出かけていき、私はリモートで息子の中学校の保護者会に出た。通常学校に集まって行うところ、感染対策のためオンラインで行われた。

校長先生のお話と一緒に、学校の窓の外から聞こえるセミの声が聞こえる。

生活指導の先生から、たとえバレンタインデーでも子どもにお菓子を持たせないでくださいとお話があり、中学生が学校にお菓子を持ち込まないことを保護者の力でなんとかできるかどうかは心もとないが、お菓子を学校で食べてぼろぼろこぼれたところに蟻が来てはいけないし、できるかぎり注意しようと思った。

終わる頃娘が帰ってきて、夏休みに読む本をあれこれ借りてきたようだ。あれやこれやと並べてみせてくれて「かわいいでしょう、私、本は表紙で選ぶから」と言ってフフフと自信ありげだ。

もうすぐに夕方になってしまう。娘をバレエの稽古に送った。少し早くついて、稽古場の前のベンチに腰かけていると、大きな水道管工事のトラックが道を曲がってこちらに入ってきた。

警備員さんがついていて「こちらまがります!」と道の人々に声をかけ、みんなはじっこに寄るなどして、私と娘もそうした。

道に対して大型のトラックで、ゆっくり曲がって入ってくる。角のポールにぶつかりそうで私は「えっ!? 大丈夫!? 大丈夫!?」とつい声が出た。

ギリギリ3センチくらいのところでトラックは曲がっていき「すごい! すごーい!」とまた声を上げる頃、娘がこちらを見て(お母さん、静かに、うるさいよ)とたしなめる顔をしているのに気づき二人で笑った。

私はもう人生を長く生き、街をゆく見知らぬ人は誰も私を気にしないことを知っているのでつい街中で歓声を上げ、同行の子らを恥ずかしがらせてしまう。

徐々に面白くなってしばらく二人で笑った。

娘がバレエ教室に入っていって、私はあちこちまわって用事をすませた。スーパーに向かう途中、前を歩く二人のうちの一人の若い女性が雑居ビルの入り口を見て「お、出前を取った家だ」と言って、見ると中華柄のラーメンとチャーハン用らしき皿がお盆の上に乗っている。

出前の食器が家の前に出てるの、良いよね。偶然耳に入った知らない人の話の気持ちが分かるととてもうれしい。

夜はエトガル・ケレットの「銀河の果ての落とし穴」を読んだ。好きな振付家インバル・ピントと共作の映像作品『OUTSIDE』を観てすばらしく、これは本も読まないとと思った。

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5秒くらいのできごとに全力を振るみたいな感じ、もっとスンとして愛想ない作風を予想してたら以外にちょっとケレン味があるというか、いい奴な感じの作品で、こういうのはありがたく読んでいこう。

最近夜になると、20年くらい前に死んだ父方の祖父と、高校生のころ一緒に「アルマゲドン」を渋谷の映画館に観に行ったのをなぜか最近ちょいちょい思い出す。

祖父は何かの後には締めとして喫茶店に行く人で、映画の後もモロゾフのカフェに行った。私はシャーベットを食べた。パフェグラスにシャーベットの玉が5つくらい盛られたやつでこれが最高だった。シャーベットの良さが映画に行ったのを今も覚えているフックになっている。祖父は「隊長がかっこよかったね」と言っていた。

子どもたちが寝て、モロゾフのカフェを検索したけど、同じメニューはもうないみたいだ。

 

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