まばたきをする体

では何をせよというのか

ぺーろぺーろぺーろぺーろぺーろぺーろぺ~~~ぃや。というのがうちの炊飯器(日立)の炊きあがりを知らせるアラームで、のんきで間がぬけているので私たち家族は大好きだ。

聞こえるととっさに私は一緒に歌う。

普段の朝食は起きると無の境地で自動的に食パンを焼いてゆで卵を茹で食べていたが、昨晩息子から力強く「明日はご飯を食べよう」と提案があった。炊飯予約をしたので朝炊けた音がした。

息子は卵かけごはんに、私は明太子ご飯にして、まだ寝る娘に「今日はごはんなんだけど、おにぎりしようか?」と聞くとまどろむなかに薄目を開けて「お~にぎり~、お~にぎり~」というので私はおもしろくて真似して繰り返した。「お~にぎり~、お~にぎり~」

おにぎりを握った。ぎりぎりまで寝るだろう娘のために海苔は巻かずにおいた。

ご飯うまいな~、白いご飯はうまいよな~、感心しながら息子と食べ上げ、洗濯を干すうちに娘が起きてきておにぎりに海苔を巻いて食べて、すぐ学校に飛び出していった。

中学校が感染対策で始業時間を遅くしている関係で、日々息子のほうが娘よりもゆっくりでかける。息子は早起きなので結果、朝がひまそうだ。マンガを読んだり勉強をしたりするのを日々見かけていたが今日ついに「すごく暇なんだけど」と言っていた。

息子は十代で、こういう暇なときに何をするかが将来的に結構大きなインパクトになるんじゃないかと思って私はちょっと緊張した。「なんか……なんかしなよ!」と伝えたが、ではなにをせよというのは思い浮かばない。

息子も出かけていき、私も仕事。

昼休みにコンビニで荷物を出した。昼休み直後からリモートの打ち合わせがあり、うっかり時間的にぎりぎりで慌てる。慌てながら、そうだ今日おやつが何もない! と思い、うわ、でも急がなくちゃ! あわわあわわ、慌ててなんでもいいから買おう! とつかんだのが三色団子で、これは結構心の叫び、本心から私は何を常々食べたいと思っているかが見えた気がする。

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コンビニには荷物を出しに来たので手には荷物だけを持って来ていて、ここで、有料化してからはじめて、レジ袋を購入した。

なんとなく手ぶらで来たコンビニで買い物をするときに袋を買う、なるほどこれがレジ袋の有料化で起こる生活の変化かと実感した。

帰ってきた息子が早速団子を食べながら、リモートで打ち合わせをする私のカメラの向こうで(団子が、よく伸びる!)とアピールしてきた。仕事を終えて私も食べた。ほんとだ、よく伸びるな。

それから実家の母からLINEで「夏の山小屋は今年は中止します」と連絡が来た。

8月の上旬は毎年、実家の家族で集まって2泊~3泊くらいで高原の山小屋にこもって遊ぶ。例年それぞれに電車やレンタカー、自家用車など好きな交通手段で集まるが、今年は東京からレンタカーを借りて、食糧などの買い出しも全部東京で済ませて山小屋に直行するのがいいんじゃないか? などと話していたのだが、実家の人々が話し合い、年齢的に両親もそこそこ老人の域なので無理はすべきでないということになったらしい。

娘は毎年山小屋で誕生日を祝ってもらうのを誇りに思っているようで、ちょうど前夜、もしかしたら今年は行けないのかなとニュースを観て心配していた。バーンと機嫌よく帰ってきた娘に、やはり伝えそこねた。

娘は今日で1学期が終わり、学校では日々のがんばりをクラス間でたたえるべく折り紙で金メダルを作って贈り合ったそうだ。

もらったメダルをぬいぐるみにかけたあと、ほかのぬいぐるみにもメダルを作ってかけてあげていた。

夜は娘はアニメの「ハクメイとミコチ」を観て、息子は「ゼルダの伝説」をやって、私はロベルト・ボラーニョの「通話」を読みながらちらちら二人の画面をつまみ観た。

娘があるキャラクターについて「……恥ずかしがり屋だ」と言っていて、なるほどキャラクター設定というのは明文化されるものじゃなく、作品を見るうちに見る側で気づいていくものだよな、みたいなことを思った。

 

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