まばたきをする体

蒸し寒さとは

娘があたらしい遊びをみつけたと教えてくれた。通信教育のチラシの体験者の声欄にあるイニシャルの名前を考えるというもの。

T.S だったら、たなか・さとし のような。

なにそれ、楽しそうだ。

今日も3人はそれぞれに自宅で仕事をする。子どもたちの学校は分散登校になっていて今日は二人とも自宅学習の日。

娘に「『うぼく』ってなに」と聞かれるがわからない。怪我の種類みたいだよ、プリントに書いてあるのでないわけないと娘は強気だ。辞書をひいてごらんと言うが「辞書にもなかった」ということで、仕事の手をとめてやっと娘のプリントをみたら「打ぼく」とあった。

「うぼく」。気持ちがわかる。

ばたばた仕事をしているといつの間にか昼になりそばを茹でた。娘は午前中あれこれと話しかけてきていたのでそれなりに作業を進めていると思っていたのだが、この段階で午前の学校の宿題がなにひとつ手つかずということが判明し目が覚める。

娘はすごく自由なところがあり、それは例えばやれといわれていることをやらないところだ。

気持ちが焦ってぷりぷりするが、一方でそばがゆだってしまったのでみんなで食べた。

午後も同じようにそれぞれ過ごして、仕事のあとに美容院で前髪を切ってもらってきた。のびてのびて顔の半分を覆うほどになり、限界を感じて予約を入れたところ前髪だけでも受けてもらえた。

いつもの美容院で、行くとドアが全開になっていた。これまでの世界では閉まっていたドアがいまはどこも開いている。

いつもより気持ち多めに切ってもらったら短い、そうなんだけど、顔の面積が広くなりちょっと笑った。

帰り道、落ちているゴミを見て死んだトカゲを思い出した。少し前に道でひらべったく干からびてひらひらになったトカゲをみた。

夜は子どもたちにカレーを作ってもらった。作業している人たちを横目にちょと座ったらものすごく休んでいる気分になった。

カレーは上手にできておいしかった。娘が辛口のカレーが苦手なのでいつもルーは甘口で、私と息子は辛くするスパイスの粉をかけて食べる。めちゃめちゃにかけた。

蒸し暑い日だった。「蒸し暑いのはいちばんやだな」と息子がいうと「蒸し寒い、ってないね」と娘が言って、息子に蒸し寒い空気というのはあり得ないからなと教えられていた。低温でももし蒸したらどんななんだろうね。寒い雨の日がそうか。

息子はこれから宅配便などでダンボールが届くたびに組み立て150cmくらいの大きさのロボットを作るといっている。「ディアゴスティーニみたいに」

野良ディアゴスティーニいいな。

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