まばたきをする体

振り向いた方から光が差していた

息子は朝起きて氷をなめた。

昨日、はちみつを水にといたものとコーヒーを凍らせていた。「はちみつ氷はあまい、コーヒー氷はコーヒーだ」とのこと。企画性の低い虚無っぽいことをしているなと思っていたが、大きな結果が得られないのが息子にとってはおもしろいのかもしれない。

口に含んだ氷が小さくなってきたらしきころ、息子は新聞に載っている干支占いを読んでくれた。「ひつじ年のお母さんの運勢は『儚く無情を感ずる』だって」えっ、そうか……。息子や娘の干支のは人に優しく的な説教めいたものだった。

売れた同人誌を送りに出ると外が暑い。このところ、売れた同人誌の発送のみを介して外気を知っている。ありがたい知り方だこれは。

帰ると息子が学校から配布された社会科のPDFを読んでいる、と思ったが、うすら笑いをして「お母さん見て」という。見ると、文書のPDFを最小まで縮小して表示し、一気に拡大して「稲作」という文字をモニタに大きく映すという遊びをしているのだった。

「稲作!」

娘と私も「稲作だ」「稲作だ」と笑った。

日曜日だが息子はあれこれ学校から週明けまでにやらねばならない宿題が出ているようで(平日にぼやぼやしててやり残していたらしい)勉強しているので私もパソコンで仕事をするようなそぶりでインターネットを見た。

娘はごろごろ転がっている。

なにも考えず反射で体が後ろを向くと向いた方から光が差していてまぶしい。息子がこちらを懐中電灯で照らしていた。「なんなん!」

ひとしきり笑うとしばらくしてまた同じように体がはっと向き、今度は娘が照らしているのだった。笑う。

まぶしいと脳で察知する前に体がそちらを向くものなのだな。

昼、残り物を使い切るメニューにしたところ、円グラフみたいでそうでもないご飯になった。

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午後は掃除をして少し寝るなどして、もしかしたら今日はけっこう暇なのではないか。娘はタブレットで兄やぬいぐるみの写真を撮ってみせてくれた。

そのままずるずる夜になり、風呂上り、息子がコーラが飲みたいと言って、たまに出た発言なので買いに行こうかと誘う。

このあいだ大きな貯金箱にためていた小銭を娘とふたりきれいに数えてどこかのタイミングで寄付に回そうとジップロックに入れてまとめたところから、10円を14枚出した。

家からすぐ、駐車場のわきにある自動販売機でコーラを買う。

子どもらが飲んで、私はビールを飲んでぼやぼやした。息子が「ポテトチップが食べたいな」と欲を出すので「買ってきたら」というが、めんどうなのでいいやとのことだ。

このあいだ友人がリモート飲みでポップコーンを作っているのをみた。それで私も豆を買っていま届くのを待っている。

これからはポップコーンがあるぞと子らに宣言した。たのしみだー、たのしみだねえ。

日記本の通販は終了いたしました。たくさんのご注文ありがとうございました! 次回は夏に次の号と英訳本を出します。

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