まばたきをする体

存在はするが心のもちようであったりなかったりするのが服

冷蔵庫を開けた息子が「イマジネーションドラゴンあるじゃんか!」 というが、そんなものはない。

どういうことか見るとエナジードリンクの「モンスター」のことをそう言ったようだった。「『モンスター』か」「『モンスター』だよ」「まあ同じようなことだよね」「そうだね」

娘の起床時間がじわじわ後ろに倒れ行きつつある。私は朝が好きで夜が苦手なほうで、朝は早く起きるべきという価値観の側の人間なのでこれではいかんとやはり思ってしまうのだ。

起こしたが起きず、なんどかチャレンジして起きてきた。前日の鳥の照り焼きの残りを詰めたお弁当を持ち学童へ行った。私も仕事。

すっかりいい陽気で服を間違えてしまい暑かった。季節の変わり目に「去年のいまごろなに着てたっけ」と思うのにはもういい加減飽きたのだがやはり今年も思ってしまって悔しい。

そして今年は例年に増して服がない気がする。いや違う。服がないんじゃない。向上心が高まっているのだ。

向上心が高まると服がないと思う。向上心がそうでもないと、服はある。存在はするが、心のもちようであったりなかったりするのが服だ。

仕事を終えて帰宅。スーパーではいちごのおいしそうなのが安かったので買った。「いちごのおいしそうなのが安くて買う」ことを、41歳のいまもまだ、大人っぽいなと思う。

肉や野菜を買うことには大人らしさを感じないが、くだもの、特にいちごには感じる。

帰り道をあるいているとむこうから娘がやってきた。ちょうど学童の帰りだったらしい。娘は通う公文が感染対策で在宅学習方式になり今日は教材を取りに行く日なのだが、どうもしょんぼりしてる。

いつもは教室に行くと先生やほかの子どもたちがいてある程度勉強をしてから宿題をもらって帰ってくるが、今日はちょっと違う、その「ちょっと違う」に対応する自信がないようだ。

はげまして、150円と携帯電話を渡し、途中の自動販売機でジュース買っていいからがんばりなよ、なにか困ったら電話すればいいからというと素直に出て行った。

しばらくして電話があった。「困ったわけじゃなくて! 大丈夫だった」とのこと。ジュース買えたの? 買えた。 帰りながら飲んでもいいから気を付けてね。

一応「帰りながら飲んでもいいから」と言ったが、電話口の様子ですでに娘がジュースを飲んでいたのが伝わった。

空気で分かるものだなと思った。

夜はそろそろいけるのでは……とキムチ鍋にしたら、懸念だった娘がやはり辛がり、卵とかチーズとか、マイルド作戦をちゃんと立てるべきだった。息子はとても喜んだ。

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古賀及子(こがちかこ)・まばたきをする体とは
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