まばたきをする体

どんな服でもかわいいよ

むっ! と起きてさわやかだった。

家には誰もおらず、ひとり、冷凍の食パンの上にソーセージととけるチーズを乗せてオーブンで焼く。焼き上がり食う。しばらくしてバーンと玄関の扉が開き、真っ白な息子が飛び込んできた。

「白いな!」「防護服みたいでしょう」「いや、ASIMOみたい」

昨晩実家に泊っていた息子だが、朝から作文教室があるために帰ってきたのだった。雨が降っており、祖父母に着ろ着ろと言われて白い上下のカッパを着せられたのだそうだ。

息子はそのままカッパを脱いで支度をして作文教室へ行った。

行き際「26,000円のゲームを無断で買う夢をみたよ」と教えてくれた。夢なので26,000円のゲームは買っていないし、買ってないのに報告しているし、夢と現実が真逆で可笑しい。

雨が上がり、ぼやぼやしていると友人からLINEでspotifyのリンクが送られてきて、聴いたら失恋の曲でひとしきり泣く。なんといってもわたしはすぐに鳥肌を立てるしすぐに泣いてしまう。

息子の脱いだカッパをたたむとチャックつきのポケットに固いものが入っており、さぐったら小さな靴ベラだった。

今日はしっかり勉強したぞと帰宅した息子とうどんを食べて、午後はまだ実家にいる娘の様子を見にでかける。

娘は姪っ子と狭い部屋でぎゅうぎゅうになってレゴで遊んでいた。

スーパーに連れ出し、娘に弁当箱と上着を買う。どちらも娘に好きに選ばせた。

うちでは子どもが意志を持つようになってからはおおむね洋服は子どもの着たいというものを買っている。

親の力というのはすごいもので、子どもがどんな服を着てもかわいいよという気持ちがある。

どんな服を着ていてもかわいい。受け止められる。としたら、親の趣味ではなく子の好きな服を着るのがよかろうと思った。

今日も娘の選んだ服はちょっとどうなのだろうかと思うものだったが、着たらかわいかった。

とてもおしゃれな友人は、子どもがへんな服を選んだらそれは違うと教えると言っていて、なるほど教育とはそういうことかもしれないなあ。

娘は今日も泊るというので託し、私はニトリへ。

去年、息子が小机を自分の勉強机として突如居間に据え、すっかりなじんだ。そこで、もうひとつ小机を買ってコピペするように居間に娘の分も勉強机を作ろうということになったのだ。

ネットで予約していたので品定めもせずにすぐサービスカウンターで出してもらって手持ちで帰った。

夜は息子とふたり。家族が少ないので適当にするぞと、また失恋の曲を聴きながらお惣菜を買いにスーパーに行った。すると天丼とカツ丼の弁当が半額だ! 思い切って買う。

・天丼とカツ丼が半額だというよろこび
・しかしスーパーの弁当を夕飯にしてもいいのだろうかという少しのうしろめたさ
・耳からは失恋の曲

要素が多いがさすがに半額のよろこびが何よりも優った。うっしっし。

息子と、どちらか選んでまるまる食べるか、半分ずつにするか聞いたところ、最初はどちらか選ぶといっていたが息子も私も両方食べたくなり半分ずつにした。

どれだけ空腹でも食べ始めるとすぐおなかがいっぱいになるなと息子。確かに、空腹は3口くらい食べるとおさまる。

夜は自費出版の本を作る作業をした。娘がいないのでとてもとても静かだ。

みんな泣くやつ
https://open.spotify.com/track/0K9d2zBtszrs5M2EeyTeMS

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古賀及子(こがちかこ)・まばたきをする体とは
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