まばたきをする体

しなくてもいいししてもいいこと

前日は夜まで仕事があったので子らは実家に泊まった。おお、誰もいない朝だぞ! いつもとはちがう感じにうきうきがあって味わった。

着替えて子どもらを迎えに父と約束した駅まで行く。ホームで電車から降りてくる子らと出会ってそのまま次に出る電車にまた乗って帰った。父はそのまま引き返していった。

冬休みで娘は学童へ、息子は塾へ行く日。本当はお弁当を用意せねばならないのだが前日の夜うっかり食材を買い忘れてしまい、スーパーでお弁当を仕入れることにした。

普段から娘も息子もスーパーやコンビニでできあいのものを買うのは喜ぶのできっと私が弁当を作るよりもいいのではと思ったが、伝えると娘は小さく「……うん」といった。

あれれ。「買ったお弁当持っていくのいやだ?」「……ちょっと心配……」

良くもなく嫌でもなく心配であるというの、娘はよく使う言葉で、子どもの心情のすごく素直な表現だなと思う。

学校や学童にはルールがあり、破るととがめられる。ルールに抵触しないかが分からず心配なのだ。

それじゃあ、お弁当を買って娘の弁当箱に詰め替えようというと娘は元気になっていた。おにぎりとお惣菜のセットを選んだ。

いっぽう息子は満腹になるのをとてもおそれる傾向にあり、「これなら腹がいっぱいになりすぎない」と小さなお弁当を選んだ。

家に戻りお弁当を弁当箱に移し(息子はそのまま)、水筒にお茶を入れて持たせて、もう子どもたちはでかけていった。

私も仕事。

仕事納めの日だ。チームで集まって、それぞれに仕事をしたりたまに不明点を聞き確かめ合うなどした。ブルボンアソートと南部せんべいをみんなでばりばり食べた。いつも思うが、私たちのチームはおやつがとても好きだ。おやつ大好きの人たちのグルーヴを全身に感じた。

終えて帰宅。娘は「お弁当箱を開けたら買ったお弁当じゃないみたいだった」と帰ってきた。

息子も帰って来て晩ご飯。

食べているとふと急にタイマーがなってハッとした。料理に使ってテーブルに置いておいたのだが、なんで今またなるんだ。

「お兄ちゃんがかけてたよ」と娘が言う。そうなの。

どうも、目の前にタイマーがあるのでなにげなくかけたらしい。息を吸うように、しなくてもいいししてもいいことをする。ものすごく子どもらしいな。

前日に父が持ってきてくれたみかんを食後に食べた。

父は庭のない家に住むが、建物の周囲のほんの狭い隙間の土地にどん欲にみかんの木を植え育てている。毎年実がたくさんなる。

息子はこのみかんはすごく皮がむきやすいなと喜んでいた。

今年は例年よりも年末の実感がないなと思った日だった。そんなの嘘だろう、毎年そう感じているんじゃなかったっけとも考えたけど、やはり今年はなにか特別だ。

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古賀及子(こがちかこ)・まばたきをする体とは
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