まばたきをする体

背負ったネギが夕日を受けて輝く

昨日、わたしと息子はシュークリームを食べた。

会社からの帰り道に人数分3つ買って、家につくやいなや私は食べ、そのあと帰ってきた息子にもすすめて息子もすぐに食べた。

娘だけ帰宅が遅かったのですすめそびれて朝になってしまったのだった。

朝ごはんを食べたあと娘に、そういえばシュークリームあるよ、と言うと「えっ!?」と目が1ミリくらい縦に開いて急に真剣になったのがすごく良かった。

シュークリームを食べて一休みした娘は近所の作文教室が主催する書道の稽古へ。

私は掃除など家事をして、ぼやぼや暖を取るうちに娘はもう帰宅、「お正月」と書いたのを見せてくれた。お正月が来るんだなあ。

昼はうどんを食べて息子は塾へ行った。私は娘のバレエの稽古を見学に行く。

娘のバレエ教室は年に一度、稽古の様子を見学させてもらえることになっていてこの日を予約していたのだ。

シャッセ、とか、タンジュ、とか、やっていて、私は踊りは好きだがクラシックバレエの用語にはまるで詳しくないので本当の「見学」であった。

こういう稽古ごとの先生は先生らしくあることが先生である条件のひとつだと思う。いかにも慣れた様子で堂々とふるまうのが大切だ。とくに私のような本質を見破れぬ素人にとってはそれがすべてといってもいい。

その点で娘のバレエの先生は100点満点だった。こざっぱりとして威厳があり指示出しの緩急がいかにもそれらしい。

堪能した。

娘はずいぶん上達しており、それに楽しそうで何よりだった。

帰りに遠回りをして大きめのスーパーに寄った。娘のリクエストでバウムクーヘンと、ネギが安かったので買う。カゴのついていない自転車での移動なのでネギはリュックに刺して帰った。

後ろから自転車でついてくる娘に、ネギが夕日を受けて輝いているといわれ誇らしい。

帰ってお茶を入れてバウムクーヘンを食べた。娘は層の部分をぴりぴりはがして食べていて、私もそうしていたのだが、大人なのだから層を意識せずがぶっと食べてみようと思ってそうした。

それから娘は学校の宿題の自由作文にとりかかり、マンガ「暗殺教室」の感想文を集中してずいぶんたくさん書いていた。

夜になり息子も塾から帰宅し豚汁の晩ご飯。

息子は年明けに私立の中学校を数校受けてみようかということになった。塾の先生と息子と話して、受かる受からないというか人生経験としてひとつ、みたいなことでそうした。

知らなかったのだが、私立の中学校を受験するために小学校を休むと、その日は欠席扱いにならないのだそうだ。

豚汁を食べながらその話をしていると、娘が「え、受験の日は学校休めるの?」という。そうだよ、学校に行かずに、中学校に行ってテストを受けるんだよ。

「それで? テスト終わって帰ってきたらどうするの? お菓子とか食べるの?」

お菓子とか……そうだねえ……。

テストを終え息子と私で神妙にお菓子を食べているところを想像して笑ってしまった。

そうだねえ、食べるんだろうなあ、お菓子。

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古賀及子(こがちかこ)・まばたきをする体とは
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