まばたきをする体

思えばずっと誰かの歯が抜けていた

昨日、娘は歯が抜けた。私にいちにち用があるので娘は私の妹の家に行っていて、その間に抜けたそうで妹がきれいに洗ってとっておいてくれた。

迎えに行った昨晩受け取って、定期券を入れるポーチに入れて持ち帰ったのだった。そうだと思い出して定期券から取り出した。いったん、小皿に乗せた。

子どもらは学校へ行き、私も仕事。やーやーとやって帰るころ、息子から電話がかかってきた。なにかあったろうかとドキッとしてとると「歯が抜けた」そうだ。

そんなに歯って抜けるっけ!? と思うが昨日は娘で今日は息子だ。

「台所に置いておくから」と、息子はそれだけ伝えたかったらしい。

帰ると確かに息子の歯が台所に置いてあった。小皿に乗った娘のと混同しないようにか、名前を書いたマスキングテープが貼られたグラスに入っている。

よく観察したあと、つまようじを使って根本の部分をよく洗った。きれいになった。

私は5人きょうだいだ。長子で、12歳になるまで3年ごとに母から赤ん坊がうまれ続けた。思えばずっと誰かしらの歯が抜けていた。

今のうちのような2人きょうだいでも「今日も歯が!」と思うくらいなので5人もいたらそれは抜けるだろう。

娘が帰って来て、ふたりでご飯。数日前に娘との間で牛丼の話題が出たので今日は牛丼をと思っていたが鶏肉がどうしても安くて親子丼になった。

食後に娘と話していてふと娘のトレーナーにご飯粒が付いているのに気づいてなんだかぼっとしていたのか、つまんで食べた。

「食べた!?」と娘が驚いて言って、私もあっ! となってしばらくふたりで息を切らして笑った。

そのうち娘が「なんで私たち笑ってるの?」と笑いながら言って、なんでだろうね、「食べた!?」っていうのが、面白かったんだよね。

息子も帰ってきた。この人は髪の毛が伸びすぎていて、いよいよ切りにいかねばならない。そういえば「爪、伸びすぎてない?」と聞くと、おっと確認していた(大丈夫だった)。

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