まばたきをする体

思惑どおりちゃんと驚く

息子とふたり朝ごはんを食べながら、まだ寝床の娘に「そろそろ起きなよー!」と声をかけたところ「はい」と比較的はっきりした返事があり意外で笑う。

朝の娘は目覚めてきりっとした顔をしながらしかし横になったままのことが多い。

結局そのうちのろのろ起き出してきた。子どもらは学校へ。私は仕事。

昼に仕事を中抜けをして渋谷のパルコのプレオープンをひやかした。ファッションデザイナーの友人が店を出すので招待状をくれたのだ。

友人のブースはきれきれにセンスと才能のある人がじっくりくふうを凝らして作った洋服がきれいにかけてある、とてもいい気分になる場所で感激する。

パルコは新しくなっても変わらずファッションビルだった。ファッションはいよいよ普通にたしなむものではなく趣味に近いものになっている。堂々とそれを感じさせた。良いことだと思う。

帰りにタイ料理屋に寄りトムヤムラーメンを食べたら隣の女性も同じものを食べていた。レンゲと箸を上手に使っている。

ラーメンを食べるときのレンゲ使いとスパゲティを食べるときのスプーン使い、あれができる人はみんないつ練習したんだろう。

(1)子どものときに大人に習ったか、(2)大人になってからどうやらそういう食べ方があるのだなと知って見て真似して習得したかのどちらかなのか。

私は(1)の機会は得ずに大人になり、そうして「どうやらそういう食べ方があるのだな」ということを横目で知りはしたが真似するのも照れくさく感じ、結局習得せずに今になった。

かつては少し焦り(あの食べ方しなくていいのかな!?)があったが、今はそれも感じなくなった。

仕事に戻り、終えて帰る。

帰り際、最寄り駅から自宅までの道で鳥がさわいでいた。たくさん集まってそのそれぞれがぎゃあぎゃあ鳴いている。あまりないことだ。

帰ると息子が帰り、娘も帰ってきた。料理をしていると娘は「わっ!」とおどかしてきて、こういうときの私は本当に鈍感で娘のおもわくどおりにちゃんと驚く。娘がうれしそうなので私もうれしい。

それから息子が綱を引くパントマイムを見せてくれた。なぜか私の目をじっと見てやるのだ。パントマイムをやる人たちはパントマイム以上にその目線がおもしろい。

娘は綱を引く息子の背中を引っ張って事態の全体を「おおきなかぶ」にしようとしていた。

寝る前にみんなで娘が最近欲しがって買った「ナンジャモンジャ」というカードゲームをやった。カードに描いてあるキャラクターに名前をつけていってその名前を記憶して遊ぶゲームだ。

名前をつけることのエンタメ性の高さに感じ入る。盛り上がった。

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11/24(日)文学フリマ東京に「まばたきをする体」で出展します(ト‐37)。日記の本を持っていきます。文フリ後にBOOTHでも通販します
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古賀及子(こがちかこ)・まばたきをする体とは
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