まばたきをする体

目を強く閉じて手のひらも強く合わす

勢いよく起きて、息子に「服についた血の謎が解けた、あれは歯が抜けたときの血だ!」と言った。

前日息子が会社に電話するくらいの重要度で「服に血がついている」と伝えてきて、その晩今度は日中歯が抜けたのだと歯を渡された。

二つのできごとがつながらないまま息子は寝て、私は夜寝る前になって「服の血は歯の血だ!」と気づいたのだ。

そうだ、謎は解けた、息子よ安心しなされ、服の血は怖いことなかったんだょ……むにゃむにゃり~と眠りについたのだった。

前日の謎の答をもって今朝に登場した私だ。

しかし息子は「あ、やっぱり? そう思ってたんだ」というではないか。え? 検討ついてたの? なんで言ってくれなかったのよ。

バーンと登場して損したなと思ったが、「バーンと登場して損」ってなんだろうな。

子どもたちは学校へ。私は仕事。

朝の打ち合わせがあり喫茶店に行って、よし! という思いでホットココアを頼んだ。冬だから、よし!

ホットココアと言うのが少し照れくさくて「あったかいココアをください」と、それからサイズ表記が難しかったので「いちばんちいさいやつ」と頼むと、レジの店員さんが「いちばん小さな、あったかいココアですね」といって、カウンターからサーブしてくれる店員さんも同じように「いちばん小さな、あったかいココアのお客様」と呼んでくれて恐縮した。

ずっと昔、テレビで「高級ホテルのスタッフはお客の言葉を言い直さない」というのを見たことがある。

店員「パンとライス、どちらになさいますか?」
客「ごはんをお願いします」
店員「ごはんでございますね」

というシーンを再現していて「へー」と思った。小学生くらいのころだ。

完全にそれを思い出した。

ココアはとても甘かった。こんなに甘いものだったか。

それから移動したり会議をしたりして帰宅。帰りの電車でなんとなくメルカリを開いたら出した雑貨が前日に売れていた。通知を見逃していたようだ。慌てて帰ってコンビニで発送した。

フリマアプリはネット文化のなかでもがっつり生活の行動に食い込んでくるのが興味深い。かつてない数の人々が3cmの幅でものが送れるか気にしているし、梱包材を手配している。

娘を英語学童に迎えに行き帰宅。神社の前を通るとき、娘は一礼したが私はし忘れた(近所の神社が娘と私は大好きでとくに意味もなく信仰している)。

すると娘に「目を強く閉じて手のひらも強く合わすと、神社から離れても祈りが届くよ」といわれた。

祈りのパワーが強まるのだそうだ。

誰に聞いたの? と聞くと、自分で考えたとのこと。

帰ってご飯を食べて、娘が寝るころ息子が塾から帰って来て、パントマイムを見せてくれた。

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11/24(日)文学フリマ東京に「まばたきをする体」で出展します(ト‐37)。日記の本を持っていきます。文フリ後にBOOTHでも通販します
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古賀及子(こがちかこ)・まばたきをする体とは
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