まばたきをする体

詐欺じゃないただの良い店

朝いちばんで電球が届いた。

台所の照明はちいさな豆電球を6つとりつけられるタイプで、6つあるのでひとつ切れても大して影響がなくそのまんまになりがちで、でも3つ切れて残存が3まで減ると夜部屋が暗い。

このあいだ台所で本を読んでいて、なんとなく居間に移動したところ本が発光しているかのように明るくて、それで台所の暗さに気づいた。

それで昨日ネットで注文したのが早々に届いたのだった。

とりあえず置いておき在宅勤務する。子らは塾やら部活やらにでかけていったが昼前には帰ってきたのであわてて米を炊いて適当にすました。春休みで人がいるので米の減りが早い。

食べてからさっき届いた電球をつけて、試しに点灯するが日の光のほうが明るく効果がよくわからなかった。

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午後も在宅で仕事をして、終えて夕方予約していた頭のマッサージに出かける。近所に新しくできたお店がありいっぺん試してみたいなと思っていたが、昨日ネットで情報を見ていたところ、ほぐしてほしさが頂点に達し予約した。

マッサージにも業態がいろいろあるが、ここは美容院の併設で、いわゆるヘッドスパみたいなのを得意にしているらしい。

めちゃくちゃに気持ちよかった。終わるとそのまま美容院スペースの鏡の前で髪を丁寧に乾かしてくれる。

私は髪を洗うのも乾かすのも苦手なので、頭をもんでくれる上に洗ってくれるなんてこれぞ願ったり叶ったり。

しかもなんと、髪を乾かしながらお茶を飲ませてくれるという。紅茶やら水やらジュースやらから選べるらしい。豪勢な! 開店記念で施術料はずいぶん安くなっていたが、この感じは通常だともっとずっと高いんだろうか。

コーヒーを頼むと、最初からとても感じ良く接客してくれた店員さんがにこにこしながら「コーヒーは21種類ございます」という。

21種類!?

そんなある!?

そうして宝箱みたいなのに入ったカプセルと一覧の表を見せてくれた。カプセル式コーヒーメーカーというのがあるなあるなとは思っていたが、それがこれか。

お店の方のおすすめのフレーバーコーヒーというのをお願いした。しばらく雑談しながら髪を乾かしてもらっていると、コーヒーがやってきて、なんとお茶うけにヨックモックのシガールがついている。

詐欺の店か!?

わたしはかつて友人に生命保険の契約を解約させたことがある。

当時友人は20代のデザイナーだったが、なんと月々4万円の生命保険を掛け捨てにしていた。保険の考え方は人それぞれだろうが4万掛け捨てはどうかと私は思った。

友人の契約内容になぜ私が気づいたかというと、その友人が、保険の営業さんからお中元とお歳暮が届くと言ったのだ。ちょっと普通そんなのない。それで、友人が多くはない給料から高額の契約をしている上客と分かった。

ヨックモックを見てそれを思い出した。せっかく上等のサービスをしてくれているのにあやしんでしまうさもしさよ。

コーヒーはおいしかった。ヨックモックはどのタイミングで食べたら……とそわそわしているうちに髪がすっかりきれいに乾いてさらさらになった。店員さんは私の髪を良い髪だとしきりに褒めてくれた。

手が付けられなかったヨックモック、帰りに「これ持って帰っていいですか笑」って言おう! と思ったけどかっこつけて言い出せないまま、ヨックモックを置いて出た。価格はちゃんと予約のとおり安かったし、なんの勧誘もされなかった。詐欺じゃない、ただの良い店だ。

2回目以降は開店記念の価格よりすこし高くなるそうだけど、それでも安いと思えた。店員さんはビルの階段を下りきるところまで見送ってくれた。また来よう。今度はヨックモック食べるぞ。

帰ってそのまま玄関に上がらず息子に声をかけて骨折の経過観察で整形外科に行く。

途中の電線にびっしり鳥が止まって鳴き声がした。スズメくらいの大きさで、でもスズメではない。なんだろう。近くの家の人がベランダに出て写真を撮っていた。近隣の人にとっても珍しいことらしい。

息子の骨は順調にくっついてきているとのこと。まだ少しギブス生活は続く。

夜になり台所が明るいのが分かった。今日は麻婆豆腐にして、おいしかった。息子と私の分はかなり辛めにしてずっと辛がった。

風呂上がりに娘と「ガールズアンドパンツァー 最終章 第2話」を観た。第3話がいま劇場でやっているので春休みのあいだに観に行こうと話をしていてその復習のため。娘がテレビシリーズから最終章からあれこれしっかり覚えている。私はみんな忘れてしまっていた。

明日は休みだからまた整形外科のほうまでいって鳥を見に行こうと思う。

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勝手に人を切ながる

朝の支度を終えて仕事をはじめてしばらく、あっ! となった。もう9時27分じゃん!

娘が起きないのであきらめて仕事をはじめたところ集中して娘の起床のことをすっかり忘れていた。

9時半から塾がある。

大急ぎで起こすと娘もわっとなって転がるように起きてきた。水を飲んでハムを食べて顔を洗って口をゆすいで、そうしている間の娘をおいかけながら私は髪を結って、結いあがるとそのままかばんをつかんで出て行った。

娘はこういうときのために寝巻ではなく服を着て寝ている。

あっ! ちょっと塾が! あー! あー! わー! なんでー! あと2分~! ちょっと~! も~!

娘と私の叫びで一瞬大盛り上がりした家は静かになって、仕事に戻る。

しばらくして作文教室のおじいさん先生が会報を持って訪ねてきた。娘さんが興味を持っているようですのでと、テレワークに関する新聞の切り抜きもいただき恐縮する。娘、ちゃんと本当に興味を持っているだろうか。

大慌てで出かけた娘は昼前に何事もなかったようにゆっくり帰ってきた。人が出たときと帰ってくるときのテンションが違うとき、人と暮らすことのおもしろさを感じる。

でかけていた息子も帰宅して、簡単に昼ご飯。それから私は午後は会社へ。事業の会社間の移管についていく格好で会社を移って、今日から新たな会社に入る。

辞令を受け取ったり社員証の写真を撮ってもらったり、フィクションの世界のサラリーマンみたいなことをしてうれしくてしびれた。

それから同僚のみんなで執務室のオフィスグリコをめずらしくながめ、「おい! 冷凍庫にアイスがある!」「こっちに自販機があったぞ! 街で買うよりすこし安い」など珍しがった。「駅ビルでうまい肉が売っていますよ」とも聞いた。事務所は楽しいですねと言い合って帰った。

すっかり気持ちが明るくなった。

帰ると娘はいたが息子がいない。しばらくして帰ってきて、公園で小学校時代の友人らが遊んでいるのを見ていたんだそうだ。……見ていた!? どういうことかと聞くと、骨折して自分は遊べないので、おしゃべりだけ参加していたとのこと。

小学校時代の友人らが遊んでいるのを遠くから見ていたのかと、こうして私はいつも勝手に人のことを切ながる。

夜はあるものを食べてしのぎ、それからファッション雑誌を読んでネットで服を買った。昼間すっかり気持ちが明るくなって、そこから急激にきれいな服を着たいものよという気になった。

性根の部分におしゃれでいようというベースの気概がないため、気を抜くとすぐどうでもいい服をずっと着て、むしろたいしたことない服で間に合わせていることに充実して満足してしまう。なんらかの刺激があってはじめて良い服を着んとする気持ちが起きる。

毎年それほど感じないんだけど、今年は春が来てうれしいなあと、暖かさによってわけもなく前向きな気持ちになっており、動物の感じだ。

なぜかと考えて、自宅にずっといるからじゃないかと思った。自宅は冬は寒く夏は暑い。気候が変動する。会社の執務室に通うとそれがなくて、いつもとても快適だ。今年はずっと家にいるので、それで「春がきた~~! パァァァァ」という気持ちの開きが例年よりも強いんじゃないか。

階下で息子が「ファ!」と言っている。

どうした、なんで「ファ!」なのと聞くと、風呂から上がったことを妹に伝えるためだそうだ。「ファ!」で通じるのかなと思ったが、娘は風呂に入っていった。通じている。

春のうれしさで居間の照明の切れた電球も買った。

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菓子折りの菓子折り性

起きてきた子どもたちに観葉植物を切る相談をした。

数年前、娘がバレエの発表会でもらったブーケを花瓶に生けた。飾っているうちに花が枯れるなか1本入っていた葉っぱは枯れず、そのうち根が生えてきた。

そのまま花瓶にどんどん根を張って瓶じゅうを根でいっぱいにしていきながら今日まで元気でいる。

少しづつ伸びて新しい葉を生やす。下のほうの葉はバトンタッチするように枯れるので摘んで捨てる、それを繰り返していたら、どんどん背が高くなってきた。

それで、これを切ってはどうかという相談だった。

茎の途中で切って、あたらしく生ける。するときっとまた新しく生けたほうからは根が生えてくるんだろう。あらかじめ根がもうあるほうはどうなるんだろう。どこかから葉が生えてくるんだろうか。

息子は「それは生えてくるだろう」といった。娘は「よくわかんない」という態度。娘は興味のないことにはかかわらない。

うむ、家族に一声はかけたぞと、説明責任を果たした気を得たので茎の途中で切って、切り取ったほうを別のグラスに生けた。どっちも育ち続けるといい、楽しみができた。

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息子は部活へ行った。骨折をしているが行くだけ行くんだそうだ。先輩にもひとりけがをしている人がいて、行くとずっとふたりで話しているんだと言っていた。娘は塾へ。

誰かいて腹が減ったと言わないので仕事がはかどり、帰ってきた子らに炊けたごはんとみそ汁と納豆を出して自分も食べて、それから会社へ行く。

私は普段デイリーポータルZという読み物のサイトの編集をしているがこのサイトが4月1日から別の会社へ譲渡されることになった。私も事業と一緒について会社を移るので、今日は譲渡元の会社への最終出社日。

途中の駅で降りてお世話になった人たちに配るお菓子を買う。私はこういうところ全く気が付かないのだけど、同僚が用意しようと言ってくれてハっとした。

菓子折りを買うと紙袋は有料ですと言われ、エコバッグは持ち歩いているのでとっさに、袋はいりませんというが、菓子折りをぼろぼろのエコバッグに入れたらお使い物の雰囲気がまったくそがれてしまった。菓子折りの菓子折り性は紙袋に宿るのだと痛感した。こういうところも私はセンスがない。

残った仕事や挨拶をすませ無事にお菓子も渡してパソコンや社員証などを返却して帰る。

帰り際に同僚ともうこの事務所へは二度と来ることがないですねなど感慨を言い合ったが、こういう感慨は今日だけのものですよねみたいな話もした。

会社は用賀という世田谷にある駅のビルで、用賀にももうそう来ることもない。人があたりをうろつく縁は簡単に切れて、簡単に次の場所をよくうろつくことになる。

帰り際にスーパーに寄って、鶏もも肉が安かったのでシンガポールチキンライスと決心して買って帰る。うまくできてみんなでたくさん食べた。

それから、まさかさっき返したパソコンに私物のマウスのUSBレシーバーが刺さりっぱなしだったことに気づいて注意の散漫さに目が開く。あの小ささはいつも恐ろしいと思っていたがやはり私には無理なサイズだ。

夜は仕事の関係で0時が過ぎ4月1日になってエイプリルフールが始まるのを待ち構えてから寝た。

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しつこく餅をすすめる

ジャンバラヤからLINEが来た。

ジャンバラヤという知り合いはいないがアイコンを見て娘の友人と分かった。以前は本名のアカウントだったが改名したらしい。

ジャンバラヤが今日遊びたいって言ってるけど。寝ている娘に声をかけると「誰?」ということで、改名を娘は知らされていないようだった。

娘はやらねばならないことがひとつも終わっていないといって、遊びにはいけないそうで私から丁寧に断りの返事をしておく。ジャンバラヤは「わっかりましたー!」と元気に送り返してきた。

子らは今日も春休みで寝坊をたのしんでからゆっくり起きてきた。私は朝から在宅勤務。

昼、春休みの子らになんらかを食べさせねばならないが食事の準備をするのが時間的にかなりむつかしい。ご飯だけ炊いてレトルトカレーをかけてそれぞれ食べた。

急に暖かくなってもう半そでを着ている。薄手の長袖を着そびれたのではないか。おそろしい気持ちになった。

午後も仕事をして、終えてスーパーに夕方買い物に出る。

夜が迫りもはや料理をしない気はまんまんなのでお総菜コーナーに直行して、あとアイスと野菜ジュースなどをかごに入れ、スーパーに来たのに買い物かごに野菜が入っていないのに罪悪感がある。

でも、いい!

力強く思った。よしとする。よしとすることにより生きながらえる。

アジフライを買ってきた。キャベツはあるのでたくさん千切りにして、キャベツをいいわけにソースを食べる晩ごはん。

食べながら、息子の言い間違えを娘がからかったのですこしとがめる。娘は自分がからかわれるのは大嫌いで泣いて抵抗するのに人にはやる。

「はい……」といって一瞬しゅんとするのでこちらも、「お、おう……次から頼むよ」みたいな気持ちになったが、すぐに立ち直っていて、でもどうなんだろう。本当にカラッと忘れているのか、心でどうとらえているのか。言い咎めるようなことはなかなか塩梅がむつかしい。

私はなにか言われたときにハッとショックを受けてちょっとトリッキーな行動に出ることがある。たとえば過剰に謝ったりとか。かなりうざったく反応するような。なかなか忘れられず悔やむしどこかの部分が弱いんだろう。

キャベツもご飯も大盛にして汁物にもあらん限りの具を入れたのだけども食後の子どもたちはまだなにか食べたそうで、私は餅をすすめた。

ふたりとも餅か……という感じ。しかしなんかないかとまだ言うのでこちらもしつこく餅をすすめ、すると娘は最後まで興味をしめしてくれなかったものの息子が観念して食べた。

観念して食べる餅の味はどうだい。聞くとおいしいそうだ。きなこの餅にしていた。

夜、本を読んでいると息子になんで付箋をはるのか聞かれる。

ふせんは面白かったところとかなるほどなと思ったところに貼っておくが、一冊読み終えたところで見返すと忘れている。「もう忘れてる!」と驚くのが良いんだよ。

すると息子はなるほどと。忘れていることすら楽しむとはプロどくしゃーだね……と言って去っていった。

なんでプロゴルファーっぽく言った?

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喜怒哀楽よそのまちのスーパーを羨む

きのう大事なデータをうっかりミスで堂々まるまる消してしまったショックで寝苦しむ。

「仕方がない」のひとことに尽きるのだけど、自分のミスでしかなくほかになんら悪い要素がないのでまったく救いがない。

「これは私に、生活を用心して送れよと注意する神からの知らせなのだ」とか、ちょうどこのところ気持ちを浮つかせていたので「その方向は間違っていると運命に引きとめられたのだ」などと天啓をうけたような気分になっては、いや天啓というかただのうっかりだとすぐに気づいて夜の間のしょんぼりした。

ただ朝になると落ち込みにも慣れ楽になってきて、張り切って起きる。

張り切っては起きたが子らは春休みで早起きする必要があるのは私だけなのだった。朝ご飯をひとり静かに食べて仕事を始めた。

あまり遅起きになってもよくなかろうと声をかけると息子が起きてきたので、ぬいぐるみを駆けよらせて喋らせた。昨日消したデータのことを悔やむセリフで床を転がしてからうつぶせにして手で床を叩せるように動かしたらかわいかった。

ぬいぐるみと、あと仕事があることに助けられて気が楽になり、ありがたいことだ!

昼は仕事の関係で食べた中華まんを子どもらにも分け与えすます。息子がどんどん食べた。中華まんってこんなにどんどん食べられるものなのか。

午後は子らが出かけていき引き続き私はやーやー仕事。終えて夕方、用事をすませるので電車に乗って出かけた。

出かけた先に見知らぬスーパーがあり入るとずいぶん安くてアワワとなる。

「よそのまちのスーパーをうらやむ」というのは事象に即した感情だが、私はこの感情の発動があまりにも頻回なため(居住地以外の街でほぼ感じる)、感情のレパートリーのかなり取り出しやすいところに入っている気がする。

感情の四天王である喜、怒、哀、そして楽があって、そのすぐにもう「よそのまちのスーパーをうらやむ」がある。

喜怒哀楽よそのまちのスーパーをうらやむくらいのかんじ。

フレンチパピロがあったので買った。しかし帰りに近所のスーパーにも寄るとそこにもフレンチパピロは売られていたのだった。

家には子らがもう帰っておりそのまま支度をして晩ご飯。娘がフレンチパピロを見て「お菓子があるじゃん!」と言っており、確かにこれはすごくお菓子っぽいお菓子だ。

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それからニュースで「汚職事件」を聞いた娘が「お食事券……」と言って、スタンダードな可笑しみだが以降ニュースから流れる「汚職事件」がすべて「お食事券」に聞こえ案外新鮮に感じ、息子も最初はそんなんで笑うかという様子だったがみんな笑った。

本を読んで寝る。だいぶ暖かくなってきた。今日はTシャツですごした。

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身の丈に合わないことを企てていたせい

昨日の夜、娘の髪の毛を乾かしていて、急に、あ、これはだめだ! 目覚めてそのまますぐに駅前にある、大きくて予約の取りやすい美容院に電話して予約を入れた。

娘は前髪のないロングヘアで、バレエをはじめた3歳のころから前髪を伸ばし始め、あとは後ろ髪を散髪するくらいでずっときた。

不器用な私はいちど息子の前髪をひどいことにしてしまったことがあり、それで子どもたちは1000円カットに行っていて、娘のオーダーはいつも「5センチくらい切ってください」みたいな感じ。

安くて早くやってくれるのがすごくありがたくて助かっていたけど、娘のこの毛量、これは1000円カットでは間に合っていないと急に思った。汚いわけじゃないけど洗い切れていない。美容院でしっかりすいてもらって、シャンプーとドライヤーを少しでもしやすい頭にしないとまずい。

予約は午前中を取った。娘を起こしてご飯を食べさせ一緒に向かう。ネットで料金表を見ると思ったよりも安いので、ついでに私も前髪のカットとシャンプーをお願いした。

娘は道中シャンプーを嫌がっていた。「いつもみたいに切るだけでいいよ、シャンプーはいい」という。はじめてなので引っ込み思案になってるんだろう。

大丈夫、すごく気持ちいいしどうせいつかやるなら早いうちに体験しておいたほうがいいよと勇気づけるが、「えっ! 美容院のシャンプーっていつか必ずやらなくちゃいけないの?」と、確かに必ずというわけじゃないか。でもできることは増やして、世の中に慣れておくとあとがぐっと生きやすいと思う。

変な紙を顔の上に乗せるのがおもしろいからとさらに説得し、うやむやのままもう美容院についた。

ここは頼もしい美容院で、まずでかい。鏡が何面もあってたくさんの美容師さんが働いている。そういう融通があるからか予約が取りやすいし、偉い美容師さんを指名しない限りずいぶん安くやってもらえる。娘が手始めに行くのにちょうどいい。

娘と私、隣の鏡で別々の美容師さんについてもらった。じゃあシャンプーしましょう、と、娘は自然に連れていかれ、私が前髪を切ってもらっているうちに神妙に平気な顔で戻ってきたのだった。

娘の髪、すっかりきれいになった。量が半分くらいに減り、これなら家でもなんとかシャンプーとドライヤーができそうだ。毛先に丸みをつけてもらって「髪型」という感じの頭になった。

これまではなんというか、髪! 髪が生えてます! という、迫力があってそれも良かったといえば良かったんだけど、頭髪が教養を得て理性的になり成長したように思えた。

美容師さんたちもにこにこ「すっきりしました!」と嬉しそうにしてくれてうれしい。

よかったよかったと、昼のホットケーキの買い物をして帰宅。娘がバニラアイスを買おうと良いアイディアを出してくれた。

帰っておなかをすかせていた息子とホットケーキの準備をする。息子は骨折して腕を吊っているが料理をやりたがる。

バナナを輪切りにするとか、ツナに玉ねぎを入れるとか、どうってことないけど私だと省略するような手間も二人で作業しているとやる気になる。

食べておいしくて、しかしバニラアイスのことを忘れていて結局食後に厳密に3等分して食べた。

午後は子どもたちが塾に行く間に部屋やパソコンの片づけをした。

片づけをしながら最近しばらくずっと企んでいることを、また考えていた。

先日友達に会ったときにすごく話が盛り上がって、かなり大それたことをできるできる! という気になった。

実際できるのかもしれないけど、それで妙に浮ついて、細かくしくじることが増えていた。人への連絡が漏れていたり、重要なTODOをあぶなく見落としそうになったり、なんだかおかしいなと思っていたが、まあ大丈夫だろうと、そんな「まあ大丈夫だろう」フィクションの世界であれば「大きな失敗」のフラグでしかないわけだが、なんと私の現実もこの「まあ大丈夫だろう」が失敗の、あからさまなフラグであった。

すごく大事なデータを、まるっと消してしまった。

リカバリ不能なタイプの消し方で消した。

普段は何度もチェックしてからやるような消去の作業を、まあ大丈夫だろうと気軽に実行して、あとで気づいて真っ青になった。

気を取り直してご飯は食べて、それから、うお~~~、ゴロンゴロンゴロン。床を転がり悔やむ。息子に愚痴って内容を話すうちにクリティカルなものではないことだと諦めもついたが、それにしても実損がある。

身の丈に合わないことを考えていたばちだ! と思った。

ばちではなく、ただのどでか凡ミスなんだけども、すがるように。

大それたことを考えていた、これはその軌道修正なのだ! みたいなことにしてなんとか寝た。

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他社に先手を打たれ悔やむ自分

はちみつの代わりに買ったあんこの減りが早い。朝食の席でぼやいていると息子が上を向いてはちみつのチューブを口にしぼるみたいなしぐさをして、

「はちみつはこうやってガーって飲むみたいな食べ方しないじゃん、でもあんこはそういう食べ方してるからね俺たち」

といって、確かにそうだった。あんこは飲むみたいに食べちゃうからよくない、やはりはちみつを買おうと話し合った。

しかしはちみつはピンキリが強い。大容量で安いやつとちょっとしか入ってないのに高いやつが、近所の小さなスーパーくらいでも4種類くらい展開されていていつも悩む。

気が弱いので中くらいの価格のを買って気持ちを落ち着かせていて、それを息子に相談したところ、いっぺん一番安いやつに行ってみるのもいいかもしれないという。そうしてみるか……。

娘を起こして作文教室主催の市民プールにみんなで行く会に向かわせ、私と息子は耳鼻科へ。鼻炎の息子のいつもの薬をもらいに出かけた。

息子は骨折して腕を吊っているので、その様子で耳鼻科に行くのはちぐはぐに思え、しかし骨折しながら鼻は確かに間違いなくずるっずるなんで、骨折の手で耳鼻科に行く、これはとても現実的なことだなと思った。

処方箋を受け取り息子を先に返してなじみの調剤薬局に行くと、レジの横でマスクのふちを飾る手作りらしいアクセサリーを売っている。

薬剤師さんの関係の方が作ったんだろうか。恐縮ながらマスクのアクセサリーは私なんかがすると間違いなく落とすので興味があまりないんだけど、こういう小商いがめちゃくちゃに好きなので興奮してながめた。

店はいいよな店は。

帰ると息子になんかないかと聞かれ、おやつなら今なんもないな。

落胆した息子は「バナナが無限に出てくる装置とかあったら10万出してもいいんじゃない?」と極端なことを言う。10万! もととれるかな。1房100円として毎日食べて1か月30日で3000円。1年で36000円。10万円のもとをとるには3年ちかくかかる。

「3年……装置故障するね……10万で買うのはやめておこう」と諦めていた。

何かどこかへという日よりだけれど予定もなく、感染症対策的にそれがよいのだろうけどついはっと不安になる。しかして売れた同人誌を発送しにぶらぶら歩いて行き、帰りに図書館に寄ったら気がすんで、ひまでいくぞという気持ちが荒ぶった。

昼は蕎麦。茹でていると息子がつけ汁のレシピをスマホで見せてきて、これを作ってみたいのだがという。

もともとはそうめん用のレシピだそうで、担々麺スープ風というもの。なるほどこうしてつゆで食の良さを高める方法、あるな。

放っておくと私はまったく工夫なく生きてしまうのでよりよくしたいという息子の心意気に感心した。骨折の人なのでレシピを横からのぞいて手伝い作る。

娘は辛いのが苦手なのでふつうの麺つゆで、息子と私は担々そばを食べた。蕎麦でも案外合う。うまいよう。

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すすめたい作業などあり夜までパソコンに向かって気づくともう夜、買い物に出るとスーパーの手を消毒するボトルの台の下に「手の消毒をお願いします」と書かれたマットが敷かれている。

おお~~、コロナ市場だ。こういうの、ちゃんといち早く取り組み商品開発するんだろうなあ、私はそういう初動の勘に自信がない。店舗用マットメーカー勤務だとしてちゃんと動けるかと思うとおそろしい。他社に先手を打たれ悔やむ自分を想像した。

刺身が安くなっていてこれはと買った。帰る。

刺身で手巻き寿司が急に開催されこれはうまいとみんなで食べる。そのうえテレビでは動物のあかちゃん特集が放送され、熊のあかちゃんが出てくるものだからみんなできゃあきゃあ言った。

新しく読み始めた本がとても読みやすくするする読めてうれしい。でも結局麻雀ゲームもした。2か月くらい熱心に取り組んでいるが一切うまくならずCOM戦でずっと同じキャラクターに負けている。

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