まばたきをする体

なんの脈絡もなく男女関係が丸くおさまる

雪が降るというはなしと降らないのではというはなし、どっちも聞いて、とくになにも考えず寝て起きて窓をあけたら雪でしかも大粒だった。

絵を描くときに降る雪は丸いが、実際東京で降る粒の大きな雪は台形というか、ぼそっとした形をしている。

息子が起きてきて「やったー!」といった。雪は「やったー!」なんだな。娘も起こすが「雪降ってるよ」程度では起きない。

卵焼きを焼いた。以前はお弁当に詰めるときくらいだったが最近朝ごはんに良く焼くようになった。好きなものが食べたい気持ちが面倒くささを乗り越えるのが料理という行動だと思うが、卵焼きには頻繁に発揮される。

娘も起きてきてぬるっといちにちが始まった。

家にいるならいるでやることが結構あってあわわあわわと終わったのが昨日の土曜日で、その続きをする。

息子は降雪の具合を注視しており、窓から見える家の屋根からざざざと雪が地面に落ちる様子を目撃して喜んでいた。

さて、実は私は冷凍たこ焼きの大ファンだ。

冷凍食品のたこ焼きを子どもの頃はじめて食べたときに、これはうまいなと思った。屋台で買うたこ焼きとも、店で食べるたこ焼きとも違う、冷凍たこ焼きとしか言えない食べ物だ。親にねだるほどには好きで、最近またその味を思い出して買うようになった。メーカーはどこでもいい。いまはトップバリュのを買っている。

タコが入っている。小麦粉の生地はむちっとしていて空洞はない。そして、すでにそこそこしょっぱい。

この独特のあらかじめのしょっぱさが冷凍たこ焼きの最大の魅力だ。

昼はみんなでありがたくこのたこ焼きを食べた。一袋20個入りだったので、子どもが7個ずつ、私は6個食べた。

午後、息子は雪のなかを散歩にでかけ、私は日記の本の作業をしたり子どもたちが持ち帰ったプリント類の整理をしながら娘のアニメ鑑賞に参加した。

娘は完全に絵柄ひとつでアニメを選ぶ。大量のタイトルがあるなかからカンで選び出して、選ぶとわりあい素直にシーズンまるまる観ている。今日選んだのは学園ドタバタラブコメものだった。

誰が誰を好きかがはっきりしていて、でも登場人物たちはその相関図を勘違いしているみたいなやつ。こういう作品の存在は本当に尊いものだ。

「付き合ってください!」とか「デートしませんか?」とか「私のこと好きなの?」とか「私じゃなくてあの子のことが好きなの?」みたいなあれこれを延々3時間くらい観てしまい、観終えたころには私のハートも恋の予感待ったなしくらいに仕上がりきってそわそわした。

娘は平然としていたが、そのうちタブレットの着せ替えアプリでいま観たアニメの登場人物を作りだした。恋の準備が万端に整った私に対し娘は「あのキャラクターかわいいな!」的な気持ちの盛り上がりがあったのかもしれない。

そわそわ気分で晩の買い物へ。寒いのでシチューにすべく買い出した。物流が戻っている。きのこも人参も鶏肉も買えた。

息子は散歩の途中で友達に会って公園で雪合戦をしたそうだ。

時間もあるのでたわむれに忠実にシチューのルーの箱に書いてある通りの作り方でシチューを作った。おいしくできた。

夜は息子と「6アンダーグラウンド」を観た。ネットフリックスでないと観られない映画で、何か月も前から観たいからネットフリックスに入ってくれと言われていたのをのんのん先延ばしにしていたのだ。

息子の好きそうなアクション映画でばんばん車が壊れるし最後の方のアクションの仕掛けも可笑しくてよかったが、悪役の成敗のしかたがあまりにも悪趣味でツイッターで怒られそうすぎて怖くなった。

最後に脈絡なく登場人物内の男女がビバリーヒルズ青春白書的に丸く収まったのに笑う。

娘は怖がって音だけ聞いて目はタブレットでゲームをしていた。観終えるころはそこそこ夜だった。

「しょ~しゅ~りき~」と歌いながら娘は寝室へ入っていった。

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あなたといるからわたしは元気、というからくり

土曜で仕事が休みの日はのろのろ起きて、でも起きた後は平日と同じようにする。洗濯機を回して朝ごはんを作って子どもたちを起こして朝ごはんを食べて洗濯を干す。

息子は起こすと起きてくる。娘は起こしても起きない。無理に起こさず寝かす。

洗濯ものを表に出すと空気がぬるかった。

ウィルス感染の件で外に出るのをやめたので、家でやりたいことを書きだしたらもりだくさんになってこれはむしろ忙しい。やりたいこと、というよりもわりと「やらねばならないこと」が多いことも判明した。

小学校からきたイーラーニングの知らせを熟読し娘にやらせる、娘の塾の宿題を整理する、息子の通信教育の添削がウェブからアップロードできるらしいのをやる、作文教室の書類を書く、進級・進学の準備を整える。

かたっぱしから片づけた。そればかりやると仕事のようなので、息抜きに部屋を片付けて不用品を解体しまとめた。それからいただきものの里芋を煮た。

理想的な休日だ。こういう、やるべきことをやる休日はいいぞ。

昼になり子らと昼ご飯の相談をした。息子から「グラノーラは?」と、それは朝ごはんでは? という意外なアイディアが出て私はピンときた。「グラノーラといわず、一番プレーンなさ、いちばんつまんないコーンフレーク食べない?」

ざわつく子どもたち。

いいね! いいねいいね! つまんないコーンフレークね!

いさんで買いに出た。道で子どもを遊ばせる人が多い。遠くや人の多いところへ行くのをよすと人は道に出るのだなと思った。遊ぶ子どもの写真を撮っている人がいる。あたたかく私は上着を着ていない。

スーパーにはかなり食材が戻っていた。昨日買えなかった卵があるし菜っ葉もある。なんと食パンもあった。食パンがあるならもう大丈夫だという心強い思い。

しかし、コーンフレークはないのだった。およ~。ココア味のがあったので買った。バナナも買った。

帰って子らと食べた。豆乳をかけて、バナナを乗せて、菜っ葉とツナのサラダと朝に煮た里芋を食べた。

午後、ネットフリックスに入会した。

ついに。

うちはアマゾンプライムに入っているし、それで十分観るものはあるので入りそびれていたが、Fire TV Stickで観ているとネットフリックスに入っていないと観られない映画が多いと息子に訴えられてついに山(私)は動いた。

無敵だ。無敵というよりももはや使い切れない能力を得てしまい慌てる。落ち着かねば。息子は映画の「ベイビー・ドライバー」を観始めた。

別の作業をしながら横目で観ていたが、途中から一緒に観てすっかり堪能した。1か所もう本当にどうしようもなく好きなシーンがあって、それだけで最強に満足した。映画とはそういうものかもしれない。

見終えて息子と「最高だ」「最高の映画だ」と言い合った。

夕方、大人としゃべる機会がないのでさみしくなりすぎてInstagramのライブ配信をしたら友人や知り合いやフォローしてくださっている方々がたくさん観てくれてすっかり元気になった。

私はわりあい元気な人だと言ってもらうことが多いのだけど、これは人と接すると嬉しくなって元気が出るからだ。

あなたといるからわたしは元気、というのが、私の元気のからくりです。

娘に届いた通信教育の教材を渡すと喜んで開封してテキストを読み同封のカレンダーに学習予定のシールをはるなどしており完全に感激する。ありがとう、娘よ……!

夜は日記の本の校正をしながらビールを飲んだ。たくさん飲んだらけっこう夜になった。

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労せず成長したいしだれもかれも労せず成長してほしい

小さな子どもが二人で歌っている。歩くの大好き~! の歌とか、迷子の迷子のこねこちゃんとか。

娘が「元気に歌ってる」といったので「かわいいねえ」と返した。

終日在宅勤務の日で、子どもたちも自宅学習。

やーやーやって、昼になるころ子どもたちに昼ご飯は何かと聞かれ餅でも焼こうと話した。娘は海苔餅が、息子はあんこ餅が好きなので二人に海苔とあんこときな粉を買ってきてもらうよう頼んだ。

スーパーの食材がかなり品薄のようだが、海苔、あんこ、きなこくらいだったら売っているんじゃないか。あわよくばとダメ元で菜っ葉と卵も頼んだ。

やはり海苔とあんこときなこはあった。菜っ葉と卵はなかった。

昨年の大型台風のときや今回のようにスーパーから食料ががっと消えるとき、それでも残る食材がいとおしい。海苔、あんこ、きなこよ。

3人、うまいうまいああうまいなあ餅はうまいな~餅と呼んではいけないなお餅と呼ばねばいけないな、と食べて午後もそれぞれに働き、夕方から塾のある娘に声をかけると娘は居間で観たことのないようなポーズで床に転がっていた。

両足をそろえて足を折り曲げて左右にゆらしながら腕もぐねぐね回すような。

「変な恰好でしょう」というので「変な恰好だね」とこたえた。

起き上がり塾へでかけて行った。

仕事を終える頃、作文教室の先生から電話がかかってきておしゃべりする。大人としゃべる機会がいきなり減ったのでうれしい。最近娘が教室に通うようになったので「娘のようすはいかがでしょう」とたずねたところ「〇〇くんがちかごろたいへんに伸びましてね、彼には期待しています」という同級生の子の感想が返ってきたのだった。

少し前に子どもらの新学期からの勉強が不安でカッとなって頼んだ通信教材の4月分が郵便受けに届いた。娘は塾も行きはじめたし、息子は中学から課題がかなり出るらしいし、これは明らかにやりすぎている……。子どもたちと相談して整理しよう……。

夜は干物を焼いて静かに食べた。それから娘はテレビで「魔女の宅急便」を観始めた。

いつ頃の映画なのと聞かれて新聞のラテ欄を見ると1989年の映画だ。うわあ、そんなに前の作品なのか。死んだ祖父が映画館に連れて行ってくれたのを覚えている。

大混雑の映画館で切符を買い求めるお客が窓口に殺到しており、しかし祖父は並ばず窓口の先頭にもぐりこみ「電話で予約した者です」といって券を手に入れていた。あんなこと今はない。

主人公があまりにも急激に痛みをともなって成長する映画なのでうろたえた覚えがある。物語というのはなにがしかの成長があって成り立つものらしいが、わたしなどはずぼらなのでつい成長の労を描く作品すら苦手にしてしまうところがある。

労せず成長したいし、だれもかれも労せず成長してほしい。

娘が終盤になり「一緒に観よう」というので観た。大きな赤いリボンが、あんなかわいいもの他にない、いらだたしくかわいい。

娘が「おばけのアッチ」のパペットを抱いていたので(「おばけのアッチ」を6冊だか買うともらえるキャンペーンが以前あったのだ……!)パペットに手を入れて娘をよしよしした。

娘はガボゥっとアッチをわしづかみにして、「おかあさんの手だ」と言っていた。お母さんが手を入れているからね。

息子はiPhone大喜利のアプリを入れて熱心にやっている。私も一緒に遊んだ。たまにエッチな広告が出てくることがあり、「まどわされないで!」と伝えた。

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「かわいいもの」と「それを愛するもの」の話

息子のiPhoneにLINEを入れた。息子から手の絵文字と「手です」というテキストが送られてきたので、私は三角帽子の絵文字と「帽子です」というテキストを送った。

「それはテントではないでしょうか」と返ってきた。テントだったのか……。「テントでしたか……」「はい、テントです」「そうか……」

最後のメッセージを送るや否や、息子が背後からやってきて「このやりとり意味なくない?」といってくるので、意味がないことには面白いという意味があるのだよと伝えた。

友達に送るスタンプがあるといいのだろうなと思ってとりあえず「地獄のミサワ」のスタンプを買ってやった。これ8年くらい前のやつだな。でも改めて最高のスタンプだ。

在宅勤務の日で、子どもたちも自宅学習。

昼になり、ご飯をどうしよう。こうして全員家にいると週末のようだ。

都からの外出自粛要請を受けてか、どうやらスーパーから食料がずいぶん買われて消えているらしい。ばかすか買い占めるというよりも、普段外食をしている人たちが自炊に切り替えたり、不安だからほんの少しいつもより多めに買っておこうかという人が少し現れるだけできっとこうしてスーパーは空になるんじゃないかと思う。東京には人が多い。

ダメもとで息子にラーメンを買いに行ってもらったらLINEで「なんもない」と送られてきた。あとミサワのスタンプが。

息子はサイダーとポテトチップスを買って帰ってきた。それは………要るな。

急いでご飯を炊いて、豚肉があったので豚汁を作った。豚汁を作るときは味噌のほかに麺つゆを入れて甘めの味付けにしていいというのが私のほぼ唯一の料理のルールだ。甘いとうまい。

みそ汁はそんなにおいしくなくてもいいという気持ちがある。汁だから。でも豚汁はメインの料理なので、おいしくなければならない。

昼食後、娘がきっぱりと「ひとつ残らず終わった、もう何一つやることがない」というので、息子が「スラムダンク」をすすめた。

仕事をしていると娘がそこそこ大きめの声で「おもしろいよスラムダンク」と言った。

夕方になり、娘が塾に宿題を取りにいったり息子がLINEを友達と交換しにいくなどして1人の時間がすぎるころ、換気扇から蜂の羽音がした。

ブーン

きた! と思った。昨年の春、この家は蜂に悩まさされた。気づくと室内にいる、居間にいる、ふろ場の脱衣所にいる、台所にいる。虫よけスプレーをあちこちにしてやっと来なくなったが、そうだ、蜂は換気扇から入って来るものなのだった。

昨年買ったスプレーをたっぷり換気扇の周辺と外まで吹いておいた。大丈夫だといいな……。蜂はこわい。

夜はAmazonプライムビデオに入った『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』を娘と観る。

大変な感動作と聞き、映画館で観たらどこまでも泣いてしまうと思われひるむうちに行きそびれていた。

最初、ただただかわいらしく可笑しみもあって、ほわほわ見ていくうちに徐々に切なさのゲージが上がっていく構成で、少し離れて観ていた娘と最終的にぴったり横にくっついて、最後は抱き合って泣いた(娘はそれほど泣かなかった)。

これは「かわいいもの」と「それを愛するもの」の話だ。

かわいいものを愛するものが、かわいいものに背負わせる主観的解釈、それをまるまる承認する、かわいいものを執着的に愛することへの救済のすべてがあった。

「ひよこ」というキャラクターが出てくる。これが圧倒的な主観的解釈対象で、それに他のレギュラーキャラクターが総出で感情移入する。最終的に「コミュニケーション」というよりむしろ「解釈」でひよこを救うところに、かわいいものを愛するリアルがあった。

寝よう。明日も家にいるぞ。明後日も、し明後日も家にいるぞ。

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顔がからまった

休校中だが終業式があるということで娘は久しぶりに学校に行った。と思ったら、私が在宅勤務にとりかかってしばらくしてもう帰ってきた。笑いながら帰ってきた。玄関前で転んだそうだ。

式は超短縮で行われ、先生から通信簿をいただいてほんの少しお話を聞いて終わったとのこと。

大量の返却物とお知らせのプリントにヒーっとなるが積んでそっとした。横目に仕事を進めると、子どもたちが午後の作文教室で写生をするのでスケッチブックがいるという。

子どもたちの通う作文教室は作文を書かずに新聞を読んだり河原に行って草笛を吹いたり高原まで遠出して馬に乗ったりする。あと山に登ったり。今日は写生なのか。

お金を渡して近所の100円ショップに買いに行かせた。一人ひとつ、好きなものを買っていいよと言うと喜んででかけていった。

帰ってくると、スケッチブックにあわせて息子は……これ買ったのか! あの、定規と歯車のようなパーツでくるくる模様を書く昔からあるおもちゃだ(調べたら「ローリングルーラー」というらしい)。そういえば買い与えたことがなかった。彼はいま12歳だが、今からでも買う感じなんだな……。何事もはじめるのに遅いことはない。

一方の娘はグラデーションがきれいな下敷きを買っていた。これは……。200円のやつだね……。

100円ショップに100円ではない商品がおかれるようになってどれくらいたつだろう。そうか、いま100円ショップに子をやって、好きなもん買っていいよと言ったときに100円ではすまないことがあるのだな。

娘は以前から一緒にその店に行くと「これかわいいなあ」と言っていたのだ。今日このタイミングで買ったか。

しかしなんの文句も言えまい。だまってうなずいた。それから子どもたちと豚汁と納豆ご飯でお昼。

午後は子どもたちはスケッチブックと絵に描くためのリンゴを持って作文教室へ行き私は仕事で外出する。あれこれうまくいって気をよくする帰途だが、ニュース記事で読んだ和牛の商品券のことがやはりどうしても悔しくて少し落ち込みもする。

帰り、スーパーが混んでいる。ツイッター都知事が夜に外出自粛要請の会見をすると流れてきたがその関係だろうか。

特別何かがヒステリックに買われているということでもないようだった。

心をおちつけ買うつもりだった豆苗とチーズとハムとヨーグルトを買った。

イヤホンをつけて音楽を聴いて、その上からマスクをつけている。最後に寒くなったのでマフラーを巻いたら帰ってすぐ何がなんだかわからなくなった。顔がからまった。

子どもたちも帰ってきていた。夕食後には絵に描いたリンゴをむいて食べた。息子はローリングルーラーで遊んでいた。

20時から都知事の会見を見ようとするがNHKでは別の番組をやっていてニュースまで少し待った。そして見た。

娘の持ち帰ったプリント類を整理すると、あれこれやらねばならないことがあるようでもう一度山にして後でということにした。

疲れて動きも頭も散漫なので早めに寝るころ、スケッチしたリンゴを見せてもらい忘れたのに気づいた。

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ここに真の卒業がある

息子は起きてすぐ着替えてしまった。今日は卒業式できれいなシャツを着るので着替えは朝食後がよかったが進言しそびれた。「おそるおそる食べて」と頼んで朝ごはん。

きちっとした格好がはずかしいと隠すようにパーカーを着てジッパーを首元ぎりぎりまで上げ、何も入っていない手提げ袋だけさげて出て行った。手提げ袋は小学校入学のときに買ったものだ。6年使い続けた。

娘も起きてきて私も着替えてわあわあと支度。支度をしているときはまったく邪念なく支度のことしか考えないので「わあわあ」という雰囲気になる。

祖母の形見の真珠の首飾りをつけたらめちゃめちゃ首が冷たくて「つめて~!」と声が出た。

娘に出られる? と聞くと「準備ばんぺいゆ」とのこと。連れ立って出た。

娘は学童クラブへ行って、私は普段は山に暮らす父と一緒に学校へ。卒業式は予定通り体育館で、でも基本マスク着用、全窓と戸をフルオープンにして、参加者のパイプ椅子をできるだけ離して設置する措置をとりながら行われた。

女の子は半分くらいが袴を着ていて、マスク着用でゴスみが加わり期せずしたかっこよさ。

校長先生から、寿司職人の修行はあっつあつのおしぼりを絞らねばならずこれが尋常でなくきつい、というお話があった。そうなのか……。100℃くらいあるらしいです。それは熱いな……。

中止になってしまった在校生とのお別れ会で演奏する予定だった合奏をやって式は終わった。合奏で使ったドラムセットがステージに残され、掲揚された国旗やステージに飾られた花とあいまって良い謎光景だった。

在校生と来賓不在の式だったけれどコンパクトななかに先生たちの、でもしっかり送るから! 大丈夫だから! みたいな気概が感じられた。校長先生の胸元のコサージュが頭の大きさくらいあって気合がこもっていた。

しかしそうかこれで息子の小学校生活は終わるんだな。この実感のなさは式が短縮版だから感じたのではないような気がする。式が通常のものだとしても実感はきっとない。

校庭でみんなと写真を撮るなどして帰り、自宅でしずかに賞味期限の切れたうどんをすすった。父は山へ戻っていった。

私は午後も会社に休みをもらっており、日記の本の編集をしたり息子のスマホを設定したり娘の塾の手続きをしてやりすごす。

借りたものを返すと友達に会ってきた息子が「今日あいつの家はすき焼きらしい」というので「うちも寿司にしよう」と対抗した。

夜になり寿司を食べた。

息子が「からし……だっけ? わさびだっけ?」と言うが寿司なのでわさびのことだろう。食後にキャラメルを白いつつみ紙ごと食べてしまって出していて、ボンタンアメのようなオブラートだと思ったらしい。小学校を卒業してもまだ知らないことが多い。

小学校最後の通信簿が息子にしては大変な好成績で嬉しいことなのにもやもやし、なぜか考えたがそれは卒業してしまうのがもったいないという心象だろう。

物持ちよく使った手提げが玄関に置いてある。小学生らしいちょっとかわいい柄で、上手に使ってまだ使えるが息子はもう使わない。小学生だから使っていたのだ。ここに真の卒業があるなと思った。実感があった。

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子どもたちがイボコロリに詳しい

起きると一人の朝で洗濯物が少ない。兄妹はきのう父と風車を見に出かけてそのまま泊った。少ないながらに少量の風呂の残り湯でもってがらがら洗濯機を回していると子らの父から連絡があり、今日は岬に行くとのことだった。

ご飯をあたためてごま塩を振って食べてから仕事へ。会議があった。みんなでゴマせんべいと玉子ボーロを食べた。

今日は夜にも事務所で仕事があるのだけど子らが帰るので一旦中休みをもらって私も自宅に戻る。途中、花束を持って電車に乗った人がいて、今日仕事をやめた人だろうか。花束を持つ理由にはいろいろあるのだろうが、持っている人を見るといつも「やめたのかな」と思うのだ。

花束は赤い花とシロツメクサが束ねられたもので今風でなく、こういう古いタイプの花束を作ってくれる店もまだあるのだな。ちょっと良い。

家に帰ると子らと父が戻っていた。わいわい荷物を片付けるなどするなか、はっと思い立つように娘が表へ出て行くのでどうしたのかなと思ったら、薄く外からビュビュン! ビュビュン! という音がきこえて、どうも二重飛びをしているようだ。娘は最近なわとびの訓練に余念がない。

2分くらいしてまた家に戻りマンガを読んでいた。

息子は明日が小学校の卒業式で、事前に用意していたジャケットなどを出しておくように頼んだ。

特にあれこれ衣装を買うこともなく、シャツは中学に入ってから着るように買っておいたもので、ジャケットは2年前に結婚式に呼んでもらったときに着たもの、ズボンはもう普通に着ている黒いズボンでいいということにした。

ネクタイは父にもらったもので、ここ数日くらい結び方を覚えていたがどうしても首元の結び目が「でかい四角になってしまう」といっていた。見ると本当にでかい四角で、うまく結べないとネクタイってこういうことになるのか。徐々に覚えて上手に結べるようになっていった。

懸念としてはジャケットが小さいことか。でもこういう小さいジャケットをおしゃれとして着る人いるよね……と思ってそっと良いことにしたし、実はこの人このサイズ感似合っているわなと思っていた。

夜になりまた仕事に出た。夕飯は事務所の近所の京樽が3割引きになっていたのでちらし寿司を買って会議室で食べた。本当はにぎり寿司を買いたかったのだ。が、なぜか恥ずかしくなってやめた。寿司は会社で食べようとすると恥ずかしい気持ちがわく。ハレの食べ物だからだろう。こうして、誰も見ていないところで恥の感情が起こるのは不思議なことだ。

仕事はすべてたのしくやらせてもらってありがたいことだった。

終えて帰る。道中紙の「週刊少年ジャンプ」をかかえている人と2回すれ違った。2人とも別の人だ。

寝る前に足のイボが取れた。

イボができて、イボコロリ的なイボ取りテープを張ってしばらく暮し、1回はがすもイボは取れず「イボコロリは2回はやらないとだめだよ」と子どもらに言われての2回目だった。

子どもたちはイボ取りだけは怖がって皮膚科に行きたがらないのでイボコロリで治す。だからイボコロリには詳しい。

子どもたちは寝ていてイボが取れたことは伝えられなかった。「芯を取らないといけないよ」と娘は言っていた。固い芯もきれいに取れた。

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