まばたきをする体

ごちそうさま弟子た

むかし作ったフォトショップのデータを探していて、バックアップしたものをあたるが入っていない。古いデータのなかにバックアップが取り切れていないものがあるようだ。

一番はじめに買ってまだ生きているハードディスクをパソコンにつないで探す。2000年代前半のデータに「漂着テレビ」というフォルダがあり、開くと海辺に打ち上げられたテレビの画像がたくさん入っていた。

なんだろう、全く覚えていない。

目的のデータは見当たらなかった。しかしバックアップが取り切れていなかったデータがあるのが分かったのはよかった。まとめてネットに上げた。

そうして朝からぐんぐんデータをアップロードしていると子どもたちが起きてきた。

パンを焼いて朝ごはんにした。食べながら娘が「『ごちそうさまでした』のなかには何が入っているでしょう」という。

どういうこと? と息子が聞くと「『れいぞうこ』には『ぞう』が入ってるみたいなこと」というので、「『ごちそうさまでした』のなかには『した(舌)』が入ってる」と私がいうと、娘はうん、それもある。という。そして、私が考えていたのは「でし(弟子)」でした! と正解を教えてくれた。

ごちそうさま弟子た
ごちそうさまで舌

唐突さを味わった。

ばたばた支度をして、午前中のうちに子どもらと3人で実家へ。母に昼食にマカロニグラタンをごちそうになった。

母はむかしからよくグラタンを作る。高校生のころ町会のあつまりの手伝いをしたときに近所のおばさんに「晩の炊き出し何がいいと思う?」と聞かれ「グラタン」と答えたことがあった。

おばさんは驚いて「グラタンはたくさんいっぺんに作れないよ! 豚汁とかそういうのじゃないと」と笑って、恥ずかしくなったのを思い出した。

炊き出しにグラタンを所望する分かってなさ。若さとはこういうことではないか。

娘を実家にあずけ、午後は息子と小学校高学年向けの公演を聞きにいった。早めについたので始まるまで時間があり、息子にさそわれ絵しりとりをして待った。息子は「ランドセル」が、わたしは「ねぎ」の絵がうまく書けた。

息子は塾に行って、私はそのまま友人のファッションブランドの来春の展示会を見に下高井戸へ。

美しくてかわいらしい衣類をたくさん見せてもらい、試着もして、同行の友人らと「似合う似合う」と褒め合い、偶然居合わせたまた別の友人の赤ちゃんをよしよしして、きれいなお菓子をたべさせてもらい、短いながらに感動的な時間だった。

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11/24(日)文学フリマ東京に「まばたきをする体」で出展します。日記の本を持っていきます。
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古賀及子(こがちかこ)・まばたきをする体とは
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