まばたきをする体

運動会の日

普通の時間に起きてから、もしや今日は早起きすべきだったのではと思った。

子どもたちの運動会がある。運動会当日と言えば早起きだろう。

しかし今年は夫が別居になって、その夫が現在の居住先の名物である田舎寿司的なものを用意してくれるそうなのだ。

たたみかけて義母がフルーツを、義父がから揚げとサラダを、母があんパンとウィンナーパンを準備したと連絡が入っている。

私は……麦茶とスポーツドリンクと紙皿を用意した。

子どもたちはとくべつ緊張する様子もなく軽やかにでかけた。

夫と義母、父母もやってきた。よし、私は弁当を作っていないがこれは立派に運動会の予感だな。

暑い日で、会場全体の雰囲気が「熱中症に気を付けよう」だった。子供たちが運動をし、そして大人は一丸となって熱中症に気を付けた。

終わって大人たち全体が熱中症にかかった者がひとりもおらずよかった! という達成感につつまれていた。校長先生の機転でありったけのテントが張られたが、そのテントを片づけたあと校長先生の先導で三本締めをした。

私はとても運動の苦手な子どもだったが、息子も娘も案外運動に苦手意識がないほうでてらいなくよくやっていてまぶしかった。

娘は鼻血を出しやすいたちで、踊りながら走りながら鼻血を出しやしないか心配だったがそれも大丈夫だった。

運動会の思い出がほとんどない。いちど、開会式のときに気分がわるくなりそこから終日保健室で寝ていた年があって、小学校3年生か4年生のころだろうか。

ふざけて数人の男子が「セックス! セックス!」と言ってひやかして去っていったのを覚えている。隣のベッドで女の子が寝ていて、踊りの演目に出られなかったのか半身を起こして棒についたリボンを振っていた。

終わって義母と父母は子どもたちを労い帰っていった。

こういう日の夜は家族で「がんばったね」みたいな話をしながらゆっくりご飯を食べて疲れた子どもは早く寝るみたいなイメージがあったが実際子どもたちが小学生になってみたら意外にそうでもない。

息子は友達のうちに遊びに行った。

夫と娘は疲れてご飯を食べて寝た。

私はあれこれ片づけをしてから息子が行った友達の家におじゃましてその家のご家族とおしゃべりをした。ばらばらとほかの家族もやってきたり帰って行ったりした。

息子と自転車で帰った。息子の自転車は少し無理をして高かったがかっこいいのを買った。かっこいいのでとても誇らしい。

車体はマットな質感の真っ黒でロゴも黒で書いてある。チェーンホイールも黒くて、ぎざぎざしておらずCDみたいにきれいな円で平べったい。

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デイリーポータルZの記事一
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