まばたきをする体

もうじゅうぶん神輿にのせて町内担いでまわるくらい褒めたたえたい

パンを食べていたら娘があっ!と言った。

もうこんな時間だ! 食べるのをやめてあわてて歯を磨いて学校へ出かけていった。

娘はここしばらく学校の行事の準備で早くにでかけていく。

「遅刻するよ! もう言わないから自分で準備してね!」といいながらつい黙っていられず結局はワーワー急き立てる日もあったが、この日はぼんやりしていて気付かなかった。ほんとうになにも注意しなかったら自力で遅刻を回避したな。

……。

しかし私は母の放任主義でまるでだらしない小学校生活を送ったので放っておくばかりなのはどうも不安だ。

残った息子と、あまりにも社会科が苦手な件を相談した。小学6年生の社会科はおそろしくむつかしい。現代の政治ばかりでなく室町時代とか? 過去の政治とか経済とか? も勉強するんだそうだ。その知識いるか? とクワッとなってもみるが、いるんだろう。

社会科の内容は私の全く知らないことばかりなので息子に強くも言えず、ふたり、なんかうまいこといかんもんかのうとぶつぶつ言うだけの会合だった。

息子は社会科はほっといて好きな理科と算数だけやりたいようだ。私にしてみれば理科と算数が好きというだけでもうじゅうぶん神輿にのせて町内担いでまわるくらい褒めたたえたいというもので、話しているうちに、まあいいか、みたいな空気になった。

娘の残したパンを食べた。

息子は学校へ行き私は仕事へ。昼にコーラが飲みたくなって買った。最近コーラを飲んでいなかった。うまいものだな。

同僚の石川くんが「名探偵ピカチュウ」のTシャツを着ていてひとしきり羨ましがった。ピカチュウのかわいらしさをたたえあった。

帰ると宅配便が来て、離れて暮らす夫からの母の日の贈り物だった。娘も帰ってきて一緒に開封

かりんとうツチノコのぬいぐるみで二人で狂喜する。

夫は以前、断固とした決意を持ちかたくなに母の日に私を労わなかった。

なぜなら私は自分の母親ではないからだ。母の日は「俺の母の日」であるとして実母をおもんばかる日としていた。

「母の日」という言葉に対して生真面目だなと思いながらもさみしくて、いつだったか、私も母として認めてほしいと主張してなんかもらえるようになった。

母の日に子どもたちがくれた絵と一緒にツチノコのぬいぐるみも飾った。塾から帰ってきた息子が、見てかわいいねと言った。

そうしてあしたの朝はかりんとうを食べようなといいながら寝ていった。

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デイリーポータルZの記事一
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