まばたきをする体

デートじゃないなら来ちゃだめな店

息子は早くに起きて雪のなか作文教室に行った。

娘はゆっくり寝ていて、なくした片方の上履きが見つかった夢を見たと起きてきた。

夫が娘をつれて上履きを探しに出かけてくれた。掃除などしてぼやぼやしていると見つかったとの報が入り、よかった。

物をなくすといつも探すのがめんどうだなと思う。

人間には探さずそのままほうっておく自由もあるだろう。自由というかそういうチョイスが。

探す、というのは一つの選択肢なんだよなと、物をなくすと思うのだ。

で、ふつうに考えると「探す」選択肢のほうがちゃんとしている。「探さない」のはだらしない。

そう思い言い聞かせてちゃんと探している部分がある。

死んだ母方の祖母が「いいよいいよもう、新しいの買ってやるから」というタイプだったのだ。だからよけいに選択肢としての「探さない」が私にはあるのかもしれない。

なにしろ、上履きに関しては探してそして見つかってよかった。

昼はみんなでうどんを食べて、子どもらはそれぞれの用事に散った。

雪が降ってなんだか眠かったが布団にはいるのもおっくうでぼんやり立っていた。私はよく部屋で立っている。

立っているうちに雪はやんだ。あさ娘に「雪を腕にのせようね」といわれていたのだが(結晶を見るために)一緒に雪を腕にのせられなかった。

夜は近所の友達のはるさんとご飯を食べに行くことになっている。

はるさんがエスニック料理店を予約していてくれたのだがとんでもなくおしゃれでショックですごく興奮した。

おしゃれな店に行くと、ここはデートで使う店だろう、デートじゃないのに来ちゃだめだろうと私は焦りだす。

もちろんデート目的じゃなくてもいいことは分かっているのだが、そういうじゃれつく心がある。

はるさんは最近キックボクシングに熱心に通っているそうだ。痩せるために通っていたのに筋肉がつきやすいのでどんどん体が大きくなっているという。

わきの下が鍛わり、いまやエラのように筋が発達してこのエラで空が飛べるのではないかというメルヘンな話をした。

ひとしきり飲んでから2次会ははるさんの家に移動。

はるさんちの子はとても勉強ができる。とくべつ苦労して勉強をする様子もなく大変な進学校に入学して楽しくやっているらしい。

話を聞いていると国内の仕事でおさまる学力ではなさそうで、そのうち世界レベルの頭脳としてなにか大きな仕事をするのではないかと私は期待しているのだ。

そうなったらはるさんの家はその生誕の地となるわけで、私はガレージをかり屋台を出して見物におとずれたひとたちに団子かまんじゅうを売る商売をさせてもらいたいと思っている。