まばたきをする体

空気に対して腹をくくり諦める

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息子が通う作文教室で実施される、新聞切り抜きの発表大会の日だ。
 
息子は早めに起きて最後の仕上げをしていた。模造紙に新聞の切り抜きと(eスポーツに関する新聞記事を集めたようだ)、感じたことをメモ用紙に書いたものもあわせて貼っていた。
 
すべて自力でやったほうがよかろうと口を出さなかった。模造紙のすみっこに、破裂系の吹き出しの形の紙をきって筆ペンで
 
「どろぼう!」
 
と書いていたのだけ気になった。
 
妹は発表会に向かう時間の少し前にゆっくり起こせばいいね、と話していたら、
 
トントントン……
 
という音がし、音のほうを見ると娘が寝室からこちらをのぞいていた。音で人を気づかせるという発想がすごい。おはよう。
 
さっと朝食を食べて会場へ。作文教室はおじいさんが公民館でやっているのだが、発表の日は近所の喫茶店を使う。
 
先生と、アドバイスをしてくださるおじいさんと、発表する親子4組がそろった。
 
人数は少ないがこうして人が集まると立ってしゃべる人に「発表者」の感じが出て厳粛な空気になるのがおもしろい。
 
他の子どもたちの切り抜きと発表が達者でこれは…と焦ったが息子も上手に発表していた。
 
息子はこの手の発表のときにきりっと前を向き大きな声を出す。
 
これはやる気があるというよりは「そうするとはやく終わるから」と息子は以前言っていた。
 
空気に対して腹をくくり諦めると人は開き直って大きな声と態度ができる。
 
例の「どろぼう!」は、テニスの全米オープン女子シングルで、大阪なおみ選手とセリーナ・ウィリアムズ選手の試合の最後にセリーナ選手が審判に言った言葉をすくったものだったことがわかった。
 
無事に終わり息子は大変にほっとしたようだった。よくほめた。
 
発表は会場の喫茶店でジュースを飲み歌舞揚を食べながらで、帰りは歌舞伎揚のおいしさを語り合った。
 
帰って簡単に昼ご飯(我々は歌舞伎揚でかなり満腹だった)、終わって今度は実家に行くことになっている。
 
祖母を祀るので神棚を作るのを手伝ってほしいといわれているのだ。祖母は死ぬ前に仏教から神道に改宗した。
 
到着すると神棚はもうできていた。父は、ごめん先に作っちゃった、と申し訳なさそうだ。父は私以上にせっかちだ。
 
上手に作れていた。すごいじゃん! いいじゃん! とねぎらった。
 
夕方から打ち合わせで池袋へ。
 
アクサの自動車保険のCMを観て「大丈夫、気にすんな」がおもしろいなと思っていたのだが、それを言ったら分かってくれてうれしかった。