まばたきをする体

ポカーンとして静かにしていた

12/14

祖母が死んだのだった。
 
寝る前に連絡をうけ夜中に目が覚めて、でもまた寝た。
 
祖母はもう98歳でかなり衰弱してもうすぐ死ぬなという覚悟は祖母自身のなかにもあったのではないか(ぼけてしまっていたので生死の世界観からはもはや別離したところにすでにいたかもしれない)。
 
泣けるが、いやでもまあ泣かなくてもいいかという心境だった。いかんともしがたく泣いてしまうのではない、泣くか泣かぬかの選択肢が用意されている感じ。ので泣かない方をとった。
 
おばあちゃまもうすぐ死ぬわよと母がうわさを流してくれたおかげで11月の末に会えたのは単純に本当によかった。
 
そのときに祖母のことを日記にも書いた。死んでからでは書けなかったんじゃないかと思う。
 

 
会社に行って仕事、昼にライターの小堺さんが事務所の近くにきてくれて、上司の林さんや同僚の橋田さん、石川くん、藤原とカレーを食べた。
 
10年以上一緒に仕事をしていてコンテクストの共有が著しく発達しているのでなにを話してもだいたい可笑しい。
 
祖母の葬儀の日程が決まったのでスケジュールに落とし込んだ。人の死も通夜があって告別式があるなどスケジュールなのだな。
 
帰ると息子が「水溶液の性質」がやばいという。
 
(1)「水溶液の性質」というもの自体に感心している
(2)「水溶液の性質」が理解できすぎる
(3)「水溶液の性質」が全く理解できない
 
どれだろうと思って聞いたら(3)だった。ちょっと(2)かなと期待してしまった。
 
娘を英語学童に迎えに行ってからホッカイロを買うべくドラッグストアへ。
 
娘についてきてくれたお礼にお菓子を買ってあげようというといろいろ悩んでキャラメルとメントスを選んだのだが、レジで会計しようとしたところで財布を持っていないことに気づいた!
 
すみません財布を忘れてしまいましたと謝ってキャンセルに。娘にも謝ると状況がよくのみこめていないようだ。
 
ポカーンとしている。
 
しばらくポカーンとして静かにしていたので、お菓子を得られなかったのがショックなのだろうかと焦ってあらためてきちんと状況を説明すると、突如理解できたようでハッとして元気に「わかった!」と言った。
 
ああ、ポカーンってこういう表情なんだなという「ポカーン」だった。そしてポカーンという表情は状況を説明して納得しきるまでずっと続くものなのだな。
 
帰るといまだ「水溶液の性質」について理解できていないらしいの息子が風呂で「スパイ大作戦のテーマ」をラララで歌っている(息子は「ミッション・インポッシブル」の大ファンである)。

 

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