まばたきをする体

焼きそばパンが倫理的に過激すぎる

倫理について考えよう。

そういうときにわたしが一番最初に思いうかべるが炭水化物のダブル食いだ。

異なる種類の炭水化物を、いっぺんに食べる。

すばらしき自由だが、しかしどこかで「それは倫理的に許されないのでは」という思いがある。

白飯を食べながらパンを食べるということが、どうしても倫理に反するのではと思ってしまうのだ。

もちろん世にはラーメンライスがあって、そば(もしくはうどん)とミニどんぶりのセットがあって、そしてまさかとも思われたピザに餅が乗るということが事例としてあるのも知っている。

イタリア料理店のランチにはパスタにパンが付いてくることもある。会社の納会ではピザと寿司が出るかもしれない。

世の中としてはありふれた状況だ。しかしそういう状況を前にしてわたしは震えるのだ。

 

健康について話をしているのだとしたら人それぞれ決着もつこう。

健康面で経験的にいって炭水化物のダブル食いは太るとか、眠くなるとか、いやわたしはダブル食いをしても体は問題ないのだ大丈夫だという人もいると思う。

 

そうではなくて、倫理的によくない予感がするのはなんでだろう。

私のこの、炭水化物をダブルで食べることが倫理を侵すという倫理観はどこで形成されたのか。

幼少期の教えだろうか。

 

いや、そうではない、焼きそばパンなのではないか。

コッペパンに焼きそばをはさむという大胆さへの驚きと畏れはいくつになっても真新しい。

あれだけ日常的な食べ物にもかかわらずいつ見ても驚く。パンにそばをはさむのだ。そんなことがあっていいのか。

しかもそばのほうはパンにはさむことを考えて通常よりも味を濃くしてある。

そばが、パンにはさまれることによって急に具になる。それでいいのか、そばは。そして、私は。

 

焼きそばパンがこの世に今まで生まれず、そしていま私が思いついて世に発表しても一般的な食べ物になるまで認知を拡大できるとはまるで思わない。ひろめるにはあまりにも思想が過激すぎる。

おそれをしらぬ食べ物としての焼きそばパンがたちはだかり、私はいつも炭水化物のダブル食いに倫理観を試されている。

 

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